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 建設機械大手の住友重機械工業は、中国拠点のITインフラを刷新する。通信ネットワークの再構築やデータセンターの新設とサーバーの集約など、インフラの全面見直しに加えて、中国のIT部門の体制強化に取り組む()。

図●住友重機工業が中国で推進する三つのIT施策
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 2012年5月にシンガポールテレコムをITベンダーとして選定し、プロジェクトを本格的にスタートさせた。ITガバナンスの強化とともに、システムの標準化による開発スピードの加速とコスト削減を図る。

 まず2012年内に数人程度の従業員しかいない営業拠点も含め、中国国内の約100拠点をIP-VPNのネットワークで接続したうえで、通信速度を引き上げる。

 これまで電話回線を使って随時ダイヤルアップ接続する拠点も、常時社内の基幹ネットワークに接続。顧客管理や販売支援のシステムを利用できるようにする。「インフラを整備することで、各拠点に眠っている重要な情報を、各地域や中国全体の営業戦略で活用していく」(情報システム本部の山谷泰夫本部長代理)。

 2013年には上海市の近郊にデ ータセンターを新設し、現地法人や拠点ごとに運用しているメールサーバーやファイルサーバー、会計システムなどをデータセンターに集約。これまでは中国国内にある各現地法人のシステム部門が、開発ベンダーや業務パッケージをそのつど選択していたが、サービスを共同で利用する形態に移行する。

 もっとも現地法人や事業部門ごとに扱う製品が異なるため、全システムの共同化は難しい。会計システムのように共通化できる業務から共同利用に移行する。

 ITインフラを含む情報システムの推進組織は現地化を加速する。中国国内のニーズに合う情報システムを手早く開発するため、「現地の商習慣やITベンダー、通信サービスの状況などに詳しい技術者が必要」(山谷本部長代理)と判断。6月に現地で人材の採用活動を開始し、中国内のシステムを企画・開発したり運用したりする部隊を新設する計画だ。

 住友重機の海外売上高は全体の半分まで上昇しており、そのうち約3割が中国である。新しいITインフラを、中国でのさらなる成長のエンジンとするため全面刷新に乗り出す。