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 大林組は2012年8月、全国約180カ所の建設現場に米アップルのタブレット端末iPadの導入を始める。建築現場で施工管理を担当する技術者3000人に配布。アプリを利用したり文書を参照したりして、検査や施工の業務を効率化する狙い()。投資額は約2億円(本誌推定)。

図●大林組が取り組む建設現場における情報化の取り組み
端末(iPad)、アプリ、ネットワークをセットで提供し、現場の業務を効率化する
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 iPadの活用方法は大きく二つある。一つは、建設現場における検査支援システムの活用。もう一つは、社内サーバーにある施工用の技術文書や図面の閲覧だ。

 iPadには施工管理の業務を支援するアプリをインストールして配布する。配筋と設備、仕上げの三つの検査作業のためのアプリだ。担当者は建設現場の仮設事務所などに設置したサーバーから、図面や品質管理項目のデータをあらかじめダウンロードしておく。

 現場ではアプリを使ってデータを見ながら、設計通り施工されているかをチェックする。気になる点があれば、iPadのカメラ機能を使って現場の様子を撮影したうえで、コメントを付けられる。文字認識用のソフト「7notes Pad+WC」を呼び出して、手書きで文字を入力できるので、片手でも操作しやすい。

 建設現場で入力したデータや写真は、事務所に戻った際にサーバーにアップロードする。PCからもサーバーにアクセスすることで、作業員全体で情報を共有できる仕組みである。「従来は野帳と呼ばれるノートにメモしたり、口頭で情報を伝えたりしていたので、いつでも必要な情報を参照できる仕組みにはなっていなかった」と、経営企画室・グローバルICT推進室の国本勇室長は話す。

 もう一つの用途である技術文書や図面の閲覧は、文書閲覧アプリ「GoodReader for iPad」と、PDFファイルの閲覧ソフト「Side-Books」を使う。文書ファイルの更新や削除を、システム管理者側で制御できる点を評価した。

 今年11月までの3カ月で順次導入を進める計画だ。トンネルや山間部の仮設事務所から離れている場所では、無線LANの電波が届かない。そうした場所でもサーバーにアクセスできるようにするため、携帯電話回線にアクセスできるモバイルWiFiルーターも約600台用意。ほとんどの建設現場でiPadを活用できるようにする。