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 カタログやネットでの通信販売を手掛ける千趣会は日本IBMと結んでいた、情報システムのアウトソーシング契約を2020年6月まで延長した。一括の契約内容を見直して、サーバーやネットワークなどのカテゴリーごとに分けてコストを明確化。これまでの契約に比べて、年間2億円(本誌推定)のコストダウンを図った。

 アウトソーシングの対象は、コールセンターなどから入ってくる受注や発注の情報を管理する基幹系システムとネットワークなどのインフラ。年々必要とする処理能力が増えるだけでなく、衣替えの時期などで変動が大きい。従来の12年5月末までの6年間の契約では、「増え続けるコンピュータ資源の調達や管理は外部に委託し、当社はシステムの企画にシフトする」(千趣会のベルメゾン事業部門副担当 業務本部担当の峯岡繁充取締役)という狙いがほぼ達成できた。

 しかし、コスト構造が見えなくなるという不満があった。

 06年の時点では機器などのハードウエアと運用などのサービスを含めて一括で契約しており、「何が全体のコストを引き上げたり、引き下げを阻害したりする原因なのかが、分からなかった」(千趣会の業務本部情報システム部の高田拓治部長)。

 そこで契約更改を機に、日本IBMに対してアウトソーシング契約の内容を、メインフレームやサーバー、ネットワーク機器、運用サービスやサポート業務などの、カテゴリーごとに分解するように要請()。項目ごとにコストを吟味したうえで、国内ベンダーにも新規の提案を依頼した。

図●千趣会が見直した日本IBMとのアウトソーシング契約
契約項目の分割などで、年間約2億円(本誌推定)のコスト削減を実現した
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 最終的には、両社の提案ともほぼ同水準の料金だったため、引き続き日本IBMと契約することに決めたという。IBMのメインフレームを利用するのが前提のため、国産メーカーが思い切った価格を出しづらかった面もある。

 千趣会と日本IBMは、コストを削減するため、システムの運用体制の見直にも乗り出した。

 従来は千趣会の情報システム部門に常駐する日本IBMのスタッフを中心に運用していたが、中国・深圳にあるIBM拠点をオフショアのリソースとして活用していく。データベースの技術サポートを委託する。

 これら運用部隊を中心とする日本IBMのスタッフの能力や実績には満足だったが、前回の契約時には「先進的な技術やサービスビジネスについて、オールIBMの強みを生かしてほしい」(高田部長)との期待があった。契約を更改する際に「我々の事業に貢献する、積極的な提案」(同)を日本IBM側に強く求め、両社で合意に至ったという。