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 富士通は2013年4月24日、システム規模の見積もり手法「ファンクションスケール(FS)法」の普及・推進組織を立ち上げる。

 FS法は同社が考案した手法で、画面の要素を基にシステム規模を見積もる。「FS法をより洗練させるには外部にも普及を促進し、意見を募る必要がある」(システムインテグレーション部門チーフアーキテクトの宇野和義氏)と判断し、新組織の設立を決めた。

 新組織の名称は「FS法研究会」。発足当初は富士通や子会社に加えて、NTTデータ子会社や東洋ビジネスエンジニアリングといったベンダー、金融系ユーザー企業、ソフト開発企業など約10社が参加する予定。FS法の適用データを収集・蓄積し、手法の精度を検証するなどの活動を展開する。

 FS法は、規模見積もり手法として一般的なファンクションポイント(FP)法を簡略化したもの。FP法は見積もりの方法や進め方が複雑で、利用の際に経験やノウハウが必要になり属人性が入り込みやすい。これに対し、FS法は画面の数や要素の数だけを使うので利用しやすく、属人性も排除できるという()。

図●ファンクションスケール法による機能規模の見積もり方法
ボタンや演算結果表示領域(ディスプレイフィールド)などシステムを構成する画面要素ごとに基準値を規定しており、その基準値と画面要素の個数を掛け合わせる。これを画面全体で加算することで機能規模を算出する
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 バックエンド側の機能の規模を反映する工夫もしている。ボタンやエディットフィールドなど画面要素の数を使うだけでなく、要素に割り当てた機能に応じて重み付けを変えている。同じボタンでも画面遷移のみを行う場合は「20」、検索などバックエンド側の処理が伴う場合は「100」とする。

 スプレッド(表)のように表示面積は大きいが似たような演算を繰り返す場合、重みを「10」と低く設定している。「バックエンド側の機能の規模をうまく反映できるような重みの値を、当社での経験を基に基準値として導き出した」(宇野氏)。

 宇野氏はFS法について、「万能ではないが、業務部門や経営者などに説明しやすいという利点がある」と説明する。富士通はFS法を2004年に発表し、その後グループ内での利用実績を積み上げてきた。現在、年間1万件ほどある同社内のプロジェクトの1割程度で、FS法を利用しているという。

 FS法研究会ではFS法の普及・検証に加えて、FP法との関連を検証していく。必要に応じて、FP法とFS法の使い分けを容易にするのが狙いだ。