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 クラウドサービス、特にITインフラ基盤をサービスとして提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を実現するためのソフトウエア群のこと。

 クラウドOSは、仮想化技術によって仮想化したデータセンター内のサーバーやストレージ、ネットワークといったハードウエアを制御するための「管理用API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」を提供する。これらのAPIはシステム管理用であり、主に運用管理ツールが利用する。IaaSの利用者は運用管理ツールやスクリプトなどを利用することで、仮想マシンの起動や終了などの操作ができる。

 以前は「IaaS構築ソフト」とも呼ばれていたが、PCやサーバーに搭載する従来型OSと役割が似ていることから、「クラウドOS」という呼び方が一般的になりつつある。クラウドOSでは「プラグイン」を追加することで、新しい種類のハードを管理できるようになる。この点は、従来型OSの「ドライバー」と同じ仕組みだ。

 ユーザー企業がIaaSを利用する際は、そのIaaSがどんなクラウドOS上で動作しているかを把握しておくのが望ましい。従来型OSと同様に、クラウドOSの種類によって、利用できる運用管理ツールなどが変わってくるからだ。どのクラウドOSを前提にシステム運用の仕組みを作っていくかが、その後のクラウド活用シナリオを大きく左右する。複数のIaaSを併用する場合であっても、クラウドOSが同じなら同一の運用管理ツールを利用できる。複数のIaaSを一元管理したり、連携させたりすることが容易になるわけだ。多くのIaaSで使われているクラウドOSを選択しておけば、クラウド提供企業による「ロックイン(囲い込み)」を回避しやすい。

 現時点での主なクラウドOSとしては、米IBMや米ヒューレット・パッカード(HP)、米ラックスペース・ホスティング、米レッドハットなどが開発を進めるオープンソースソフトウエア(OSS)の「OpenStack」、米シトリックス・システムズが中心となって開発しているOSSの「CloudStack」、米ヴイエムウェアの商用ソフト「VMware vCloud」がある。米マイクロソフトは「Windows Azure」「Windows Server 2012」「System Center 2012」の組み合わせをクラウドOSと呼称し、その一部として同様の機能を提供する。

 このうちOpenStackやCloudStackは、米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon Web Services(AWS)」を手本に開発が進んでいる。管理用APIの仕様も「AWSと互換性がある」と開発元は説明している。一方、VMware vCloudやWindows Azureなどは、AWSとは異なる独自仕様の管理用APIを搭載する。