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 新日鉄住金は2016年度末までに、旧新日本製鉄と旧住友金属工業のシステムを統合する()。2014年4月までに人事や財務といった「一般管理系システム」を統合。その後、営業や受注、物流などの業務を司る「基幹系システム」を統合する。システム投資額は本誌推定で約300億円である。

図●新日鉄住金のシステム統合と子会社集約のスケジュール
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 新日鉄住金は2012年10月の新会社発足時に、電子メールなどのシステムは統合を済ませたが、それ以外については併存、あるいは旧2社のシステムをブリッジ接続して稼働させている。システムの規模は旧2社合計で、約5億2000万行のアプリケーション資産と22台のメインフレーム、1700台強のサーバーと巨大だ。同社はシステム統合を急ぐことで、コスト削減などのシナジー効果を早期に享受したい考えだ。

 一般管理系システムは、原則として旧新日鉄のシステムに片寄せする。「旧新日鉄は経営統合以前に、本社と各製鉄所に散在していた購買や財務システムの共通化に着手。既に多くの領域で開発が進んでおり、旧住金より一歩先んじている」と新日鉄住金の新田博之執行役員業務プロセス改革推進部長は理由を説明する。

 基幹系システムは、旧2社の「良いとこ取り」をして統合する方針だ。ただし現時点では、各々の業務を旧2社のどちらに合わせるかが決め切れていない。一部の業務については、新たにシステムを構築することも視野に入れる。

 16ある製鉄所の生産管理システムは、製造する品種がそれぞれ異なるため統合しない。「様々な生産方式を持つ多様性こそが、新日鉄住金の強さの源泉」(新田執行役員)だと考えているからだ。ただし設備運用などでは、最も優れた製鉄所の知見を他の製鉄所のシステムに組み込む「トップランナー方式」を採用する。

 2社あるシステム子会社も一本化する。旧住金のシステム開発を担っているアイエス情報システム(aies)の社員を順次、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)に出向させ、業務を移管。2017年4月をめどに、新日鉄住金と日本IBMが保有するaiesの全株式をNSSOLが譲り受けて統合する。子会社の集約により、開発・運用体制を強化する。