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 2014年度の国内IT市場は、明るい状況が続きそうだ。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が2014年1月6日に発表した「企業IT動向調査2014」の速報によると、上場企業とそれに準じる企業の40.3%が、2014年度のIT予算を前年度よりも増やすという(図1)。IT予算を減らす企業の割合(27.6%)を12.7ポイント上回る。国内景気の回復が底堅くなったことで、これまで慎重だった企業も積極的なIT投資に踏み切りそうだ。

図1 IT予算額の増減(前年度比)
2014年度も上場企業の約4割がIT予算を増額
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 企業規模別に見ると、売上高1兆円以上の大企業でIT予算を増額する企業が増える。同規模の場合、IT予算を増額する企業の割合から減額する割合を差し引いて求める指標(DI)は、2013年度のマイナス11.6からプラス7.7へと大きく改善する。大企業におけるIT予算の増額傾向は、IT業界全体にとって明るい材料となりそうだ。

 売上高が100億以上1000億円未満の企業でもDIは改善し、2014年度は16.5ポイントである。100億円未満や1000億円以上1兆円未満のDIは前年度より減少するが、それぞれ10.5、3.9とプラスを維持する。

 業種グループ別で見ると、DIが最も高いのが電気・水道といった「社会インフラ」で22.3。これに「建築・土木」の19.5、「機械器具製造」の19.2などが続く。七つある業種グループの中でDIが唯一マイナスだったのは、「金融」のマイナス23.3である。

 2014年度にユーザー企業各社が重点的に投資するのは、売り上げ拡大やコスト削減のような業績に直結する分野だ。重点投資分野として最も回答率が高かったのが、「顧客情報・営業支援(SFA、CRMなど)」である。40.1%の企業が、優先投資順位の1位から3位までのいずれかで同分野を挙げた(図2)。これに続くのが、「生産・在庫管理」(33.1%)などだ。「セキュリティ強化」や「BCP(事業継続計画)」は、上位には入らなかった。

図2 IT投資における中期的な重点投資分野(3位まで複数回答)
業績に直結する分野への投資を重視
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 国内IT市場は明るさを取り戻しつつあるが懸念点もある。2014年4月からの消費税増税の影響だ。この調査は政府が増税を決めた後に実施(2013年10月29日~11月18日)しているため、増税の影響を多少は加味しているとみられる。だが、増税後に国内景気が大きく減速した場合、IT予算が大きく絞られる可能性はある。