システム・インテグレータのデータリンクは9月2日、COBOLアプリケーションをJavaに移行するためのツール群「ModernArch」を発表した。既存アプリケーションの分析や移行のためのコード変換、開発までを支援する。出荷は10月1日。価格は、800万円(ModernArch ReDocument、5ユーザーの場合)から。
ModernArchは三つのツールで構成する。(1)既存アプリケーションの分析用ツール、(2)COBOLからJavaへなどアプリケーションを異なる言語に変換する移行用ツール、(3)移行後にプログラムを修整するための開発支援ツール、である。(1)で生成したアプリケーションの情報を(2)や(3)へ受け渡すことで、移行・開発作業を効率化できる。
(1)の「ModernArch ReDocument」が対象とする言語は、NECメインフレーム用のCOBOL/SとCOBOL85、IBMメインフレーム用のCOBOL II(CICSで動作するプログラムのみ)、Visual Basic、Javaの5種類。アプリケーションを自動解析して、解析内容をリポジトリに格納する。さらに、解析結果などのレポートを作成できる。例えばレポートには、プログラムの構造図やプログラムとテーブルとの関係図などがある(写真)。
(2)の「ModernArch ReArchitect」は、NECおよびIBMメインフレーム用COBOLからJavaへの変換機能を備える。ReDocumentのリポジトリに格納した内容から、Javaのソース・コードを生成する。今後、移行対象をVisual Basic .NETやC#、オープン系COBOLなどに拡張する予定である。
また、データベースやユーザー・インタフェースの移行も支援する機能を用意する。対象データベースは、OracleとMS SQL Serverの2種類である。生成したソース・コードやデータベース情報などは、リポジトリに格納する。
(3)の「ModernArch Designer/Developer/Modeler」は、アプリケーションの設計から開発までを支援するもの。ModernArch ReArchitectのリポジトリに格納したデータを使って開発を進めることができる。開発対象プラットフォームは、Javaのサーバー開発・実行環境であるJ2EE、およびマイクロソフトが提供する開発・実行環境の.NET Framework。ただし、現在開発中であり、2006年に出荷する予定である。