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 CATV統括会社大手のジュピターテレコム(J-COM)は9月7日,「J-COMがボーダフォンと提携し,仮想移動通信事業者(MVNO)方式で携帯電話事業に参入へ」という一部報道に対し,「提携交渉先などを含めて,事業内容について正式に決定した事実はない」とのコメントを発表した。

 J-COMはかねてから携帯電話事業に興味を持っており,森泉知行社長は事あるたびに発言をしていた。また「他事業者との交渉をしているのは事実だが,選択肢はMVNOだけではない」(広報部)という。

 一方のボーダフォンは「MVNOについては法人顧客の獲得手段として前向きに考えている。いろんな企業と話をしているが,決まっていることはない」(広報部)とコメント。MVNO契約の締結を終了した企業はないという。

 両者とも完全な否定をせず,ボーダフォンの設備を利用したMVNOによる携帯電話への参入計画が多くの企業の間で進んでいることをうかがわせる。

 携帯電話業界の関係者は「ボーダフォンがMVNOに前向きなのは,他事業者よりも電波帯域に余裕がある上にユーザー数が2位のauに大きく離されているから」と分析。「J-COMなどがMVNOで数万ユーザーを契約すればバルクでユーザーが一気に増えるし,番号ポータビリティが導入されてもJ-COMが大元の法人契約者のため個人のようにユーザーが大移動することもないだろう」(同)との計算も成り立つ。

 ボーダフォンのMVNOではソフトバンク・グループの動向も注目される。1.7GHzへの新規参入を表明したが,当初からの全国展開は難しい。そこで,ソフトバンクがボーダフォンのMVNOを利用する可能性があり,さらにソフトバンクとボーダフォンの関係強化というシナリオも見えてくる。