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IBMのバートレット氏
IBMのバートレット氏
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 「オートノミック(自律)コンピューティング技術はすでにプライムタイム(最盛期)を迎えている」。米IBMでオートノミック・コンピューティングを担当するデビッド・バートレット バイスプレジデント(写真)はこう言い切る。「よく『オートノミックはいつ実現するのか』という質問を受けるが、すでに始まっている。この1年を見ても、金融や流通、運輸、エンタテインメントなどの業種で採用する企業が相次いでいる」と話す。

 バートレット氏は最近の事例として、映画フィルム加工や映画配給などを手がける米テクニカラーを挙げる。同社は、サーバー、データベース・ソフト、ネットワーク機器、その他のミドルウエアがそれぞれ出力するイベント・ログのフォーマットを「Web Services Distributed Management (WSDM)」という標準仕様で統一した。WSDMは、IBMや富士通などが標準化を進め、米標準化団体OASISが今年3月に採択した仕様である(関連記事)。

 「イベント・ログを標準化することで、テクニカラーはオートノミック・コンピューティングの第一歩をすでに踏み出したといえる」とバートレット氏はいう。この技術を使って、システム自身が障害の原因を特定し、自己修復できるようにするには、ハードウエアやミドルウエアなど個々のシステム構成要素から得られるイベント・ログの記述を統一する必要があるからだ。現状では製品ごと、ベンダーごとにログの記述方法が異なり、それらをまとめてシステムに認識させるために多大な手間を要している。

 ただしテクニカラーの場合、まだ自己修復の機能は実現していない。それでも一定の効果を出しているという。「障害時に運用担当者が問題個所を特定しやすくなり、復旧までのコストを低減できた」(バートレット氏)

 IBMはオートノミック・コンピューティングの普及を加速させるために、パートナ企業の支援策を打ち出す。同技術を使うソリューションを提供できるパートナ企業に対し、その技術力を認定する「IBM自己管理型オートノミック・テクノロジ・マーク(ACマーク)」がそれだ。米国では今年6月からこのキャンペーンを始め、4社に対してACマークを認定した。日本でも9月7日から同内容のキャンペーンを開始した。

 ACマークの認定に必要な条件は大きく三つ。(1)業種に特化したパートナに向けて、IBMが日本を含む全世界で提供している認定制度「PartnerWorld Industry Network」のアドバンスト・レベル(3段階のうち、2番目のレベル)を取得している、(2)IBMが提示する3種類のオートノミック関連技術(後述)のうち、二つをソリューションに使用している、(3)少なくとも1社の顧客企業に当該ソリューションを導入した実績を持つ、である。

 (2)の三つの技術とは、(a)イベント・ログの記述方式である「Common Base Events」(WSDMとほぼ同じ)、(b)イベントの発生状況を監視・分析して次に採るべきアクションを指示するための「Autonomic Management Engine(AME)」、(c)ソフトのインストール作業を自動化するための「Solution Installation」。