PR

 日本IBMは9月14日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づくシステムの構築・実行を支援する製品群「IBM WebSphereプロセス統合製品」を発表した。既存3製品の名称を変更して機能を強化したほか、システムが実行する業務処理の状況をリアルタイムで可視化するBAM(ビジネス・アクティビティ・モニタリング)ソフトを新たに追加した。「これでSOAの実現に必要なベースとなる製品が整った」と、同社の三浦浩 執行役員ソフトウェア事業担当は話す。

 SOAは、システム全体を「サービス」の集合体としてとらえるアーキテクチャのこと。業務プロセスの変更にできるだけ早くシステムを対応させたい、その際に既存のシステム資産をできるだけ生かしたいという企業のニーズを受けて、ベンダーの関心も高まっている。日本IBMは2004年5月にSOAの採用を表明して以来、SOAの実現に必要な製品やサービスを順次投入している。

 今回、IBM WebSphereプロセス統合製品として発表したのは、(1)BPM(ビジネス・プロセス・モデリング)ソフトの「WebSphere Business Modeler」、(2)サービスを組み合わせてアプリケーションを作成するための「WebSphere Integration Developer」、(3)他のサービスとの連携用ミドルウエアであるESB(Enterprise Service Bus)機能を備えるアプリケーション実行用ソフトの「WebSphrere Process Server」、(4)BAMソフトの「WebSphere Business Monitor」の4製品。

 このうち新製品は(4)だけで、ほかは既存製品の強化版である。(1)はWebSphere Business Integration(WBI)Modeler、(2)はWebSphere Studio Application Developer Integration Edition(WSAD-IE)、(3)はWBI Server Foundationという名称だった。ただし、「Business Modelerは基本的に5.1版から6.0版へのバージョンアップだが、ほかの2製品は『SOAコア』と呼ぶプログラミング・モデルを使って新たに作り直しており、単なるバージョンアップ以上の強化を加えている」と、山下昌夫ソフトウェア事業WebSphere事業部長は説明する。

 中でも注目されるのは、(4)のBusiness Monitor。あらかじめ作成した業務指標(KPI)に基づいて、SOAに基づいて構築したシステムの状況を監視する。KPIを使うことで、ビジネスの観点からシステムの状況をリアルタイムで把握できるようにするのがポイントだ。そこで問題を発見したら、すぐに必要なアクションを起こすことができる。長期的には、ビジネスの変革や最適化にも役立つという。

 価格は、(1)が17万8800円(1ユーザー)、(2)が50万500円(同)、(3)が1215万5000円(1CPU)、(4)が1227万8000円(同)。これらは、IBMのソフトウエアのボリューム・ディスカウント「パスポート・アドバンテージ」を適用した場合のライセンス料金(PAX料金。1年間のバージョンアップと保守を含む)である。9月30日から順次出荷する。

 同時に、これらの製品を使って顧客がSOAに基づくシステムを早期に構築できるようにする「SOAクイック・スタート・プログラム」も提供する。料金は、(2)と(3)を使う場合で500万円から。年内には、(3)のESB機能だけを備える「WebSphere ESB」も発表する予定。

 IBMをはじめベンダー各社がSOAをうたった製品やサービスを相次ぎ提供しているにもかかわらず、SOAの成功事例はほとんど出ていない。三浦執行役員はこの点について、「SOAは大きなパラダイム・シフトであり、準備が不十分なまま押し進めると流れをつぶしてしまいかねない。なので、十分な期間をとって準備を進めてきた。SOAに関しては予定通りに進んでいると見ている。現在、国内の金融機関とサービス業の2社でSOAに基づくパイロット・システムを構築中だ」と話す。