PR

 損害保険を手がけるロイズ・ジャパンは10月をメドに、ソフトハウスのアルカディアソフト開発と提携し、海上貨物保険事業の拡大に乗り出す。アルカディアがASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供する貿易業務支援サービスを“窓口”として、ロイズの保険を申し込めるようにする。「当社の海上貨物保険の契約数は、月に数件程度。今回の契約で、これを10倍以上に増やしていきたい」と、西田洋二郎プロダクション&アンダーライティング マネージャーは話す。

 ロイズ・ジャパンがアルカディアと提携したのは、「コストや人員をできるだけかけずに国内大手損保の牙城を切り崩していくには、既存の枠組みを利用するのが効果的と判断した」(西田マネージャー)からだ。海上貨物保険の分野は、国内大手損保が既存顧客をがっちりとつかんでおり、「直接営業をかけても効率が悪い」(同)。そもそもロイズ・ジャパンの受け付け・承認作業の担当者は数人しかいない。

 そこで同社が目を付けたのは、貿易業務支援ソフト「HarborWrite」をASP形式で提供するアルカディアとの提携だった。ロイズの海上貨物保険を申し込む機能をHarborWriteのサービスとして提供することで、同サービスのユーザー企業を取り込むのが狙いだ。この形なら、営業のコストをかけずに効率よく保険の販売を促進できることになる。

 HarborWriteは、輸入契約書や送金依頼書、通関書類など輸出入に必要な書類を作成するためのソフト。現在は国外企業を含めて200ユーザー(アルカディアが発行したユーザーID数)がASP形式で利用しているという。今回の提携により、ユーザー企業は書類の作成と同時に保険証書の申し込みが可能になる。これまでは、書類の作成とは別に保険会社に対して海上貨物保険の申し込みが必要だった。

 ロイズ・ジャパンにとっては、顧客が必要事項を入力してくれるので作業効率が上がるというメリットもある。これまでは、海上貨物保険の申し込みを書類で受け付けており、内容の承認や保険証書の発行のためにロイズ側で保険内容をExcelなどに入力する必要があった。システムの運用はアルカディアが担当するので、システム運用の手間も省ける。

 今回のASPサービスに対する機能拡張の費用は、ロイズ・ジャパンが負担した。費用総額は数百万円とみられる。このほか、ロイズは利用量に応じたASPサービスの使用料として、アルカディアに月額数万円を支払う。