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東芝が開発した映像合成システムが配信した映像
東芝が開発した映像合成システムが配信した映像
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 東芝は9月21日、複数のカメラで撮影した映像を一つの映像に合成して配信するシステムを開発した。サーバーやパソコン、ネットワークに負荷をかけず、複数の映像を同時に配信・閲覧できる。1~2年後をめどに、TV会議システムや遠隔監視システムとして商品化する。

 今回開発した映像合成システムの特徴は、複数の映像を一つの映像に合成する点。例えば、8個のカメラがそれぞれ2Mビット/秒で映像を記録した場合、合計16Mビット/秒のデータをサーバー側で一つの映像データに圧縮・合成してから配信する。そのため、パソコン側は2Mビット/秒で送られてくる一つの映像データだけで、8種類の映像を再生できる。低速回線でも複数の映像を同時に再生できる。

 映像再生時にパソコンのCPUに負荷がかからない利点もある。再生画面のレイアウトやサイズの変更処理は、サーバー側で実行するためだ。例えば、画面のレイアウトを変更する場合、レイアウト変更の情報がパソコンからサーバーに送られ、その指示に基づいてサーバー側で映像のレイアウトを合成し直し、パソコンに配信する。パソコン側では映像データを再生するだけなので、負荷はほとんど変わらない。

 「TV会議システムなど従来のシステムでは、映像を再生・加工するために高性能のパソコンが必要だった。映像合成システムを使えば、非力なパソコンでも滑らかに複数の映像を表示できる」(東芝 研究開発センター通信プラットホームラボラトリーの村井俊雄通室長)。映像の合成は専用の画像処理ボードを用いるため、映像を配信するサーバーの処理性能も低くて済むという。

 ただし、課題もある。映像と音声とを連携できない点だ。現状では、音声データは別のシステムで配信しているため、TV会議システムのように映像と音声とが同時に切り替わらない。「音声データとの連携機能は、商品化までに実装する」(村井室長)。現在は8種類の映像を合成・配信できるが、16種類の映像まで扱えるようにする計画もある。