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 米Microsoftは,Windows Vistaの出荷が遅れた失敗から,全面的な組織の再編を発表した(既報)。今回の組織再編の最も大きな点は,プラットフォーム部門担当のJim Allchin氏が来年引退することである。Allchin氏は,Microsoftで献身的に仕事をして,Windowsへの投資保護を提案した人物だ。同氏はWindowsの支配に個人的に責任を負い,用心深くMicrosoftの宝石としてOSをガードした。

 しかし,Allchin氏がWindows 95の開発に関して内部闘争に勝利した後,Microsoftは連邦独占禁止法に違反したことが分かった。「その非難の多くが,Allchin氏の肩にかかった」と批評家はいう。また,Microsoftの米国反トラスト訴訟における結果は,さらにMicrosoftの信用にダメージを与えた。

 Allchin氏のもとでは,Windows 2000,Windows Server 2003およびLonghorn(Windows VistaとLonghorn Server)といったWindowsが市場に出るのに,計画されたよりも長い時間がかかった。また1990年代中にCairoプロジェクトで提案されたような多くの遠大な技術は,まだ実現していない。

 そのため,MicrosoftはAllchin氏を擁護している。「私はMicrosoftファミリを代表して誇りに思う。Jimは,私たちをリードし続ける重要な先見者であり,デザイン・アーキテクトである」と,CEO(最高経営責任者)のBallmer氏は述べている。

 私の見解によれば,Allchin氏は,Windowsに貢献し,OSを技術者が誇れるものに変えた。これは賞賛に値するものである。Allchin氏は,明らかに良い人物だ。Microsoftの反トラスト訴訟のときに,Gates氏とBallmer氏がMicrosoftの弁護士によって書かれた台本のような活気のない証言をする一方,Allchin氏が混乱した様子だったのを振り返ってみると,それは明らかである。

 多くの人は,後継者は,Allchin氏に相当する技術的な才能を持っているだろうか,と思うかもしれない。私の推測では,その役割を満たす人物はMicrosoftにはほとんどいない。より広い再編成のためには,克服するべき多くの荷物や歴史,問題がある。

 Gates氏は,Microsoftを次のIBMに変える意図はないと発表したが,20年でMicrosoftは次のIBMになった。Microsoftには多階層にわたる役員がおり,彼らは技術の普及を促進することよりも,気に入ったプロジェクトの保護に興味を持っている。

 私は,過去数年間にMicrosoftから出てきた数少ない良い製品が,Microsoftの外部で働く小さなグループによるものだと述べたことがある。Microsoftが本当にこの問題を認識し,それを処理しようと動き出すまで,事態は実際には変わらないだろう。