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 ブロケード コミュニケーションズ システムズと、その国内総代理店である東京エレクトロン(TEL)は、WAN回線越しに高速でファイルを共有できるWAFS(ワイド・エリア・ファイル・サービス)対応アプライアンス「Brocade Tapestry WAFS」を国内発売すると発表した。ブロケードの米国本社では、WAFS分野のベンチャーであるタシット・ネットワークスと提携し、5月に製品を発表している。従来のブロケード製品と同様にパートナーに商品を供給するほか、顧客のニーズに応じて直販にも力を入れる方針だ。

 ブロケードはSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)向けスイッチ製品などの大手ベンダーで、TELは「マスターリセラー」と呼ぶ総代理店を務める。従来の製品は9割がパートナーによる販売だったが、今回のWAFS製品で直販にも力を入れるのは「パートナーが、自社ソリューションに部品として組込めるスイッチ製品に対して、WAFSは要求される技術水準が高いため」(天野勝之コンピュータ・ネットワーク事業部長)だ。パートナーの技術習得を待つわけにもいかず、「顧客からTEL自らがインテグレーションして欲しいという要望もあるため、それに応える。結果として、直販が3割程度になる見通し」(天野事業部長)という。技術サポートや販売促進などのパートナー支援については、今回の製品についても従来通り提供する。

 WAFSは2004年以降、米シスコシステムズや米ディスクサイトなど複数のベンダーから対応製品が出ている注目の技術だ。従来のファイル共有技術はプロトコルのオーバーヘッドが大きく、遅延が大きいWANではファイルサーバーの性能が大きく劣化する。例えば「ファイル転送が始まるまでに分単位の時間がかかる」などの現象が起きていた。これに対してWAFSは、WANに特化したプロトコルやキャッシュ技術を使う。このためWAN越しにあるファイルサーバーが、あたかもLAN環境にあるように高速にアクセスできるようになる。個人情報保護法などを背景に、ファイルサーバーをデータセンターなどに集中配置するセキュリティソリューションなどに活用できる。

 ブロケードのTapestry WAFSは、キャッシュ技術に加えてデータ圧縮機能を搭載したほか、同期処理と非同期処理を使い分けることで性能と信頼性を両立させている点が特徴という。価格はサーバー拠点側に置くコアアプライアンスが140万円から、支店・支社側に置くエッジアプライアンスが120万円からである。

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