東京エレクトロンは9月29日、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)製品ベンダーであるブロケード コミュニケーションズ システムズのWAFS(広域ファイル・サービス)製品「Brocade Tapestry WAFS」の販売を始めた。複数拠点のファイル・サーバーの統合を検討する企業に向けた製品だ。WAFSは、WAN(広域網)を介してファイル・サーバーに接続する際の応答性能を高めるための仕組み。WAN越しでもLANとそん色ない応答速度でファイルを読み書きできるようになる。価格は10クライアント構成で120万円から。

 Tapestryはベンチャー企業の米タシット・ネットワークス(Tacit Networks)が開発した技術をベースにブロケードが開発した製品。WordやExcelなどOfficeアプリケーションのファイルをキャッシュする機能を備える。ファイル・サーバーのフロントエンドと遠隔地のルーターの内側に設置して対向で使う。

 Windowsのファイル・サーバーで使うCIFS(コモン・インターネット・ファイル・システム)というプロトコルは、一つのファイルを操作するだけでファイル・サーバーとクライアントの間のやり取りが多数発生するため、通信のオーバーヘッドが大きい。WANを介すると伝送遅延の影響が大きくなり、ブロードバンド環境でも十分な応答性能を得にくい。同社の計測によると、例えば1.5Mビット/秒のWAN環境では5MバイトのWordファイルを開くのに120秒程度かかる。

 Tapestryを設置すると、遠隔地側ではTapestryがクライアントからのアクセスを受け付け、ファイル・サーバーとして応答を返す。このため、WANでの遅延の影響はなくなる。キャッシュからファイル読み出して開いている間は、Tapestryがファイル・サーバーに対してファイルをロックするように通知し、排他制御をかける。当該ファイルがTapestryにキャッシュされていない場合はファイル・サーバーからオリジナルのファイルを取得するが、Tapestryの間はCIFSではなくデータ圧縮機能などを持ったSC/IPという独自プロトコルを使うため、CIFSより応答性能が高い。前述のWordファイルの例では、Tapestryを利用した場合、応答速度を10秒程度にまで短縮できるという。