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 ベンチャーが新規参入を目指しているモバイルデータ通信事業に、複数のソリューションプロバイダが参画することになった。アイピーモバイル(東京都千代田区、杉村五男社長)は30日、総務省に携帯電話事業への参入申請を行なうとともに、CSKの金融子会社やIIJテクノロジーなど4社が同社に資本参加すると発表した。アイピーモバイルが参入を目指す携帯電話事業は、まずデータ通信サービスに特化し、下り方向の通信速度が最大5.2メガビット/秒と高速なIP通信回線を月額2500~5000円固定と極めて安価に提供する点が特徴だ。契約者数の半分強を法人から獲得する計画で、今後も、出資から事業参画、販売まで、様々なレベルでソリューションプロバイダとの協業を求めていく。

 出資を決めた4社のうち、CSKはまず、アイピーモバイルの事業運営に必要なネットワーク運用や顧客・課金管理などのシステム構築を請け負う。IIJテクノロジーは、アイピーモバイルの通信サービスを活用した企業向けのソリューション開発・提供を担う。CSKもシステム構築に加え、企業へのソリューション提供に乗り出す方向という。他の2社は楽天の投資子会社と祥泳社で、モバイルインフラでのコンテンツ提供で事業に協力する。

 杉村社長(写真)は、このほかに3社と出資交渉を進めていることを明らかにした。交渉相手は公表しなかったが、日本経済新聞が報じた米メディア大手であるリバティメディアの海外事業子会社や、三井物産、NTTコミュニケーションズ・グループと見られる。三井物産傘下のネクストコムが通信設備のリース業務、NTTコム傘下のNTT PCコミュニケーションズがネットワーク運営を受け持つ方向で交渉している模様。

 アイピーモバイルは、総務省からの免許付与を前提に、2006年10月にもサービスを開始する計画。法人契約では、データ通信カードを使ったオフィスワーカー向けのモバイルソリューションのほか、自動販売機や車載機、電子広告など、機械にモバイル通信機能を搭載する組み込みソリューションも展開する。2008年中にも140万加入を達成し、このうち40万加入を組込みソリューションで確保したい考えだ。協業スキームの詳細はこれからだが、法人の加入者獲得は基本的にソリューションプロバイダに販売協力を仰ぐ計画で、「自らは安くて速いインフラを安定的に供給することに専念したい」(竹内一斉取締役)という。

 サービスエリアは2006年度中で東名阪に留まるが、2010年度までに全国規模に広げる計画。また当初に提供する下り方向で最大5.2メガビット/秒、上り方向で同848キロビット/秒の通信サービスに加え、新技術の導入で下りで最大22.1メガビット/秒、上りで同2.64メガビット/秒まで通信速度を高めたサービスも導入していくという。

 アイピーモバイルは、事業に必要な調達資金は400億~600億円、総投資額は1500億円と見ており、まずは先の提携先企業を割当先とする第三者割当増資を10月に実施。資本金を13億2500万円にする予定である。140万加入を達成する2008年中に損益分岐点に到達し、2009年度に単年度黒字を達成する経営計画という。

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