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CEATECで講演する橋本元一NHK会長
CEATECで講演する橋本元一NHK会長
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CEATEC会場でNHKと民放各社が共同出展した「ワンセグ」ブース
CEATEC会場でNHKと民放各社が共同出展した「ワンセグ」ブース
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 幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2005」で10月6日,NHK(日本放送協会)の橋本元一会長が登壇し基調講演を行った(写真上)。「デジタル放送の多角的な展開と公共放送NHKの役割」と題して,地上デジタル放送の展開や,通信と放送の融合について見解を述べた。

 地上デジタル放送に関して橋本会長は,来年4月1日から東名阪と一部地域でサービス開始する携帯端末向け放送(ワンセグ)を紹介(写真下)。携帯電話の普及が8900万台に達していることや,緊急時の放送対象手段として優れている点を挙げ,「放送をユビキタス化できる究極の姿」と位置付けた。このほかサーバー型放送も着々と準備を進めているとした上で,「こうした新サービスを次世代放送の中核にする」と強調した。

 さらに通信と放送の融合に関して「放送は,放送法によってコンテンツの質について明確に規定されている。通信は逆に内容に触れてはいけないとして規制がない。この両者が融合したときの問題は,様々な質の情報がはんらんすること。そこで視聴者には正しい情報を自ら選択する力が必要になる」との見解を示し,「NHKは信頼のおける情報を届ける役割を果たす」と述べた。

 講演の最後には,放送がアナログからデジタルに移行すると,公共放送の立場も変わることを力説した。「アナログ放送の時代は全国くまなく放送するという『面としてのあまねく』が求められていた。デジタル放送の時代にはそれに加えて,ユーザー一人ひとりの(様々な)要求に応えていく『個に対するあまねく』が求められる」と結んだ。

(加藤 雅浩=日経コミュニケーション