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 EMCジャパンは10月6日、ハイエンド向けストレージ「Symmetrix DMX-3」の販売を開始したと発表した。ハイエンドストレージのなかでも、最上位に位置する機種で、ディスク容量は最大288テラバイト(TB)、来年前半には最大1ペタバイト(PB)に増強する。

 同社は、大容量ストレージに対する需要が拡大しているという。「ストレージを購入した当初は、10T、20TBしかデータがなかったユーザー企業が、2~3年で100T、200TBにデータ量が増えるケースが珍しくない」(同社の古谷幹則 執行役員マーケティング兼パートナー営業統括本部長)。価格は最小構成で1億8300万円。販売目標は年間20台とする。

 DMX-3の特徴は、システムを停めずにデータ容量や処理能力を増強できること。さらに、システム刷新時のデータ移行や法規制に従うためのデータ保管などで、複数世代のデータを保持・管理しなければならない場合でも1台で実現可能だ。

 併せて同社は、中小規模システム向けストレージ「CLARiXシリーズ」の機能を強化したことも発表した。1つは災害対策向けの機能。支店などにある小規模ストレージ「CLARiX AX100/CX300」から、遠隔地のデータセンターにおいた中規模ストレージ「CLARiX CX」に、ネットワーク経由でデータをバックアップできる。フルバックアップだけでなく、差分バックアップも可能だ。他にも、スナップショットやミラーリング機能の運用性を向上したり、障害検知/切り分け機能の強化、DC電源対応といった機能拡張を図っている。

 古谷執行役員は「中小規模向けストレージは、今後特に力を入れる分野」とし、EMCジャパンが進めている新しい事業戦略について説明した。「パートナー協業によるソリューション提案」「ユーザー企業のセグメンテーションによる対応力強化」「“日本化”の推進」などのポイントを挙げた。

 ユーザー企業への提案やサポートについては、大企業は直販主体で進めるが、それ以外の企業についてはパートナーに任せるという区分けを明確にするという。EMCジャパンにとって、この区分けは長年の問題だった。これまでもパートナービジネスの強化を図ってきたが、“おいしい顧客”を直販部隊が手放さず、必ずしも期待通りには進まなかった。同社がパートナービジネスを強化するには、今まで以上にパートナーにメリットのある区分けを打ち出す必要がある。

 システムインテグレータ以外にも、戦略コンサルタント、ビジネスコンサルタント、ハード/ソフトベンダーなどと幅広くパートナーシップを推進していく。パートナー協業を深めることで、ミッドレンジ向けストレージの国内シェアを2008年までに31%にするという目標を掲げる。これらの戦略を実現するために同社は人員増強を図っており、特にパートナー営業については来年3月までに要員を倍増する意向だ。

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