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 マイクロソフトは、現行のサーバーOSであるWindows Server 2003の機能拡張版である「Windows Server 2003 R2」を、2006年初頭に出荷する。2007年に出荷を予定している次期サーバーOS「Windows Longhorn Server(開発コード名)」の前の、いわばマイナー・バージョンアップという位置付けだ。

 Windows Server 2003 R2の主な特徴は、ディスク管理やユーザー管理、ネットワーク管理、ファイル管理などの機能を強化したことである。ファイル管理を例に取ると、仮想的な共有フォルダを作成する機能を、新たに備えた。これはファイルの物理的な格納場所を問わず、エンドユーザーが目的のフォルダにアクセスできるようになる。

 管理者はR2を導入したサーバー上に仮想フォルダを作成し、遠隔地に分散した物理的なフォルダを対応づけておく。エンドユーザーはこの仮想フォルダにアクセスすると、自動的に物理的なフォルダへとアクセス先が誘導される。利用者は物理的なサーバーがどこにあるかを意識する必要はない。

 マイクロソフトの高田信純Windows Server製品部シニアプロダクトマネジャーは、「全国に支店や支社が分散している企業などに有効だ」と話す。これまでもサードパーティ製のツールを使えば同じ機能を実現できたが、「Windows Server 2003 R2なら標準搭載の機能だけで実現できるようになる」(同)。

 高田シニアプロダクトマネジャーは、「既存のWindows Server 2003ユーザーからのフィードバックを基に、多くの新機能を追加した。十分バージョンアップのメリットはある」とアピールする。ただし、既存のWindows Server 2003ユーザーがR2にバージョンアップする場合には、注意が必要である。マイナー・バージョンアップにもかかわらず、R2を導入する場合は全く新規にライセンスを購入する必要があるからだ。

 CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)は現状のものを継続して使うことができるが、サーバー・ライセンスに関しては「値引きなし」となる。ただし、企業向けライセンスの「エンタープライズ・アグリーメント」と「ソフトウェア・アシュアランス」を利用している企業は、無料でR2を導入できる。

 Windows Server 2003のサーバー・ライセンスは、25CAL付きのEnterprise Editionが71万9000円,5CAL付きのStandard Editionが17万6000円である(いずれもパッケージ版)。