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 経済産業省は10月11日,同省が設置した「ソフトウエアの法的保護とイノベーションの促進に関する研究会」の中間報告を発表した。ソフトウエアでは特許によるイノベーション減退効果が生じやすく,権利の濫用に該当するケースを準則として整備することが考えられる,としてプロ・パテント(特許重視)政策を見直す方向性を示した(関連記事)。

 同究会は,2005年6月に設置された。学習院大学 法学部教授野村豊弘委員長氏が委員長を務め,東京大学 大学院法学政治学研究科教授 中山信弘氏,中央大学 理工学研究所 教授 今野浩氏,富士通株式会社法務・知的財産権本部長 加藤幹之氏,東芝 知的財産部知的財産権法担当部長 光主清範氏,ソニー 業務執行役員上席常務知的財産担当中村嘉秀氏,弁護士 椙山敬士氏らが委員となっている。

 報告は「中間論点整理」として公表された。「多層レイヤー構造,コミュニケート構造,ユーザーのロックイン傾向を有するソフトウエア分野においては,特許権の付与により強すぎる独占権が発生している可能性があり,競争阻害によるイノベーション減退効果が生じやすい」と指摘。

 「当面の法的対応としては,例えば,ソフトウエア間のコミュニケート(相互運用性)を阻害する権利行使のような,ソフトウエアに関する特許権者がその独占力を最大化するために,第三者の取引を制限したり,公共の利益に著しく反するように特許権を利用する行為などが,権利濫用に該当しうる場合がある旨を『市場における経済取引に係る準則』として整備することが考えられる」との提案を行っている。

 また産業界による対応としては「クリエイティブ・コモンズ的な考え方を普及し,民間企業同士の取決めにより,オープンソース・ソフトウエアなど一定のカテゴリーのソフトウエア,ソフトウエアのインターオペラビリティーに係る特許発明については,相互に権利主張しないとする慣行を業界の標準的な考え方として広めていく」ことが有効であると指摘。更なる検討課題として「裁定実施権制度の在り方の検討,独占禁止法による対応強化など」が考えられるとしている。

 研究会は,11月をめどに第4回研究会を開催,以降必要に応じて開催し,来春をめどに最終報告書を作成する予定だ。

◎関連資料
「ソフトウエアの法的保護とイノベーションの促進に関する研究会」中間論点整理について(PDF)(経済産業省)