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 楽天は10月13日、東京放送(TBS)に対して、共同で持ち株会社を設立し経営統合することを提案した。楽天は12日までに、2つの子会社を通じてTBSの発行済み株式の15.46%に相当する2938万株を取得、TBSの筆頭株主となっている。記者会見に出席した楽天の三木谷浩史社長は、「一方的な買収は考えていない。TBS側には、世界に通用するメディア・グループを共同で作ることを申し入れた」と話した。

 楽天はTBSとの経営統合で、放送事業者が持つ消費者への影響力と、インターネットが持つ成長性とを兼ね備えた事業の構築を目指す。経営統合後の事業計画としては、テレビ広告とインターネット広告のセット販売、テレビ番組から物販サイトへのトラフィック誘導、番組コンテンツのネット配信などを挙げた。楽天市場のほか、楽天トラベル、楽天証券などグループ全体でTBSとの協業の可能性を考えていくとする。

 三木谷氏は会見で、「放送事業者が将来に対して抱える不安」を指摘した。その不安とは、(1)購買意欲の高い20~34歳の消費者の間で、テレビの視聴時間がインターネットに奪われつつあること、(2)インターネットを閲覧しながらの「ながら視聴」が増え、テレビ視聴の質も低下していること、(3)HDD録画機を使った「CM飛ばし」が普及しつつあることだ。一方で、「今でも消費者に対する放送メディアの影響力は絶大で、ネット事業にとって魅力的」とし、経営統合のメリットを訴えた。

 TBSはこの会見後、「楽天が何の事前連絡もなく短期間に、かつ大量に弊社株式を取得したことに唐突な印象を受ける」とコメントを発表した。楽天は今年9月、TBSに事業提携を提案したものの、今回の株式取得に関しては相場への影響を考慮して事前には伝えていなかったという。楽天がTBSの経営陣を説得するには、こうした感情のもつれを修復するとともに、今後より具体的な形で放送/ネット連動の効果を提示する必要が出てくる。