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 日立製作所は2005年10月17日,ドアの取っ手などを握ったときに指の静脈を使って認証する生体認証技術を発表した。照合にかかる時間は平均0.2秒。自動車のドアや玄関ドアなどへ応用すれば,鍵を持たずに扉を開けられる。今後,自動車メーカーなどに採用を働きかけ,2008年ごろの実用化を目指している。

 手の静脈を使う認証技術では,静脈パターンを撮影して分岐点や長さといった情報を基に個人を識別する。認証に用いる部位として手の甲,手のひら,指が実用化されており,同社は2000年に指を使う静脈認証技術を開発した。指の甲の方から近赤外線光を照射して,指を透過する光を使い静脈パターンを撮影する。

 今回,取っ手を握った状態で静脈を鮮明に撮影するため,光を照射する方向を変えた。具体的には,指の腹側から光を照射して甲側の静脈を撮影する。甲側の静脈は,のばした状態では皮がたるんで静脈が見えにくいが,握った状態だと皮が伸びて静脈が鮮明に撮影できるためだ。光源は取っ手に内蔵し,ドアには撮影用のセンサーを設ける。試作機では,撮影部位が特定の位置に固定されるように,取っ手の形状を工夫した。
 
 実用化までの課題は三つある。一つ目が認証精度の高さを証明するために多くのデータを採取すること。二つ目が,屋外などさまざまな環境で使えるように信頼性,耐久性を確保すること。三つ目が設置する対象に応じてデザインとの整合性をとったり,認証機構部分のコストが大きく上がらないようにすることである。