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富士通の伊東千秋専務
富士通の伊東千秋専務
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 「日経コミュニケーション20周年記念フォーラム」の初日,NTTの和田紀夫社長に続いて壇上に立ったのは富士通の伊東千秋専務。伊東専務は「フィールドイノベーションが企業を社会を強くする」と題した講演を行い,オフィスだけではなく,現場(フィールド)のIT化が今後の日本企業には重要だと強調。現場を含めた企業全体の最適化が競争力の向上のために必要であると主張した。

 伊東専務は講演の冒頭「今や大きいものが小さいものを飲み込む時代ではない。速いものが遅いものを飲み込む時代」と宣言。スピードの速い経営が求められる一方で,市場環境の不確実性が高まり「経営プランが立てられない。仮説しか立てられない」と解説した。こういった状況では,仮説に基づき行動しながら「現場で起きていることを捕らえ,分析し,いち早く経営トップに伝えることが重要」と力説した。

 現場のIT化に役立つ機器の例が「タブレットPC」で,「現場へのIT投資に積極的な米国ではタブレットPCが非常に売れている」という。例えば,米国のある損害保険会社では,交通事故の現場でタブレットPCを使って保険金額を査定し,査定が終わると同時にオフィスで小切手を発行するシステムを導入している。

 一方,「日本ではタブレットPCがほとんど使われていない」。日本企業は現場へのIT投資が不十分だと指摘する。「現場が強くならないと企業は強くならない。日本は世界に冠たるブロードバンドのインフラを持っているが,インフラの活用面では米国や韓国に比べると,まだ課題がある。現場でのブロードバンドの活用が今後はキーになる」との考えを披露した。

(武部 健一=日経コミュニケーション