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 総務省は,通信政策や制度の大幅な見直しに乗り出す。IP電話やブロードバンドなど,固定電話を中心とした従来型の通信政策・制度にそぐわないサービスが主役になりつつあることに対処する。

 具体的な取り組みとしては,10月28日から通信行政全般を所管する総合通信基盤局長主宰の会合として,「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」を開催。総務大臣の諮問機関である情報通信審議会との連携も図っていく。

 懇談会の主要な議題は,新しい通信サービスの基盤となる光ファイバの扱い。NTT東西地域会社に課している光ファイバ開放の義務について,NTTや他事業者,経済界などからヒアリングを重ね,必要ならば規制の見直しや料金の修正に着手する考え。現在,東西NTTは他事業者に,FTTHサービス「Bフレッツ」などの自社利用と同じコストで光ファイバを貸し出すことが義務付けられている。

 ここにきて,総務省が懇談会の設置に乗り出した背景には,NTT側の動きがある。

 NTTグループは11月上旬に中期的な経営戦略を発表する。昨年の中期経営戦略で,「2010年まで3000万世帯に光ファイバを提供」との計画を打ち上げ,従来からの「光ファイバ開放義務の撤廃」との主張を繰り返した。また,固定電話の光・IP電話への移行や,固定と移動の通信サービスを融合させたFMC(fixed-mobile convergence)への取り組みについても明らかにしている。

 総務省はこうしたNTT側の動きが今後の通信業界に大きな影響を与えるとして,11月の中期経営戦略の公表を前に先手を打った格好。

 このほか,懇談会では「ベスト・エフォート」として提供している通信サービスの商品性についても取り上げる。最大の通信速度をユーザーに提示しているものの,実効速度とのかい離が目立つようになっているからだ。

 こうした検討項目は2005年12月までに最終決定し,2006年9月をめどに報告書をまとめる。懇談会には,通信行政や技術に詳しい学識者やアナリストなどが参加する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション