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Oracle,Microsoft SQL Server,Accessからの無償移行ツール
Oracle,Microsoft SQL Server,Accessからの無償移行ツール
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 スウェーデンMySQLは10月24日(現地時間),オープンソースDBMSの新版「MySQL 5.0」の正式版をリリースした。MySQL 4.0系列の正式版が2003年3月に公開されて以来,約2年半ぶりのメジャー・バージョンアップになる。

業務システムに必要な機能を盛り込む

 処理速度を追求したシンプルなDBMSというイメージのあったMySQLだが,5.0でストアド・プロシジャ,トリガー,ビュー,カーソルといった新機能を追加,またOracleやMicrosft SQL Serverといった商用DBMSからのデータ移行ツールも用意した。

 DBMSでプログラムを実行するストアド・プロシジャ,設定した条件が満たされたときにプロシジャを実行するトリガー,検索結果を仮想的なテーブルとして扱えるビュー,処理中のレコードを指し示すカーソル。これらの機能はOracleやMicrosoft SQL Serverといった主なDBMSが備えている機能であり,これらのDBMSから移行するには欠かせない機能である。

 また,無償移行ツール「MySQL Migration Toolkit」は,Oracle,Microsoft SQL Server,Accessのデータをウィザード形式で対話的にデータを移行できる(関連記事)。テーブル,インデックス,ビューを変換するほか,ストアド・プロシジャ,トリガーの移行を支援する機能も持つ。

 MySQLはWebアプリケーションのDBMSなどこれまでのMySQLの用途から,業務システムなど商用DBMSのアプリケーション領域に大きく踏み込むバージョン・アップと言える。

OracleはMySQLのエンジンを買収,警戒強めるMySQL

 Oracleも,MySQLを強く意識し始めている。米Oracleは10月7日フィンランドInnobaseの買収を発表した(関連記事)。InnoBaseはオープンソースのデータベース・エンジンInnoDBを開発,配布している。InnoDBはオープンソースのデータベース・エンジン。MySQLは複数のデータベース・エンジンを選択できるが,InnoBaseはMySQLでトランザクション機能やホット・バックアップを実現する際に標準的に使用されているモジュールである。

 InnoDBは,MySQLでトランザクション機能を実現する際に標準的に使用されている。トランザクション機能とは,一連の更新処理を一組の処理としてまとめ,いずれかの処理が完了しなければすべての処理を取り消す機能。銀行振込などに不可欠な機能である。またホット・バックアップは,稼動中にデータのバックアップを取る機能で,InnoDBではそのためのバックアップ・ツールを有償で販売している。これも基幹システムには欠かせない。

 InnobaseとMySQLは来年契約の更改を控えており,米OracleはMySQL社との契約を継続する意向という。MySQL社は今回の買収を歓迎するという声明を出したものの,関係者によればMySQL社内でOracleの今後の出方に対する警戒も高まっているという。

PostgreSQLもWindows対応や速度向上で変わる選択基準

 また,もうひとつの有力なオープンソースDBMSにPostgreSQLがある。オープンソースDBMSではストアド・プロシジャ,トリガー,ビュー,カーソルといった機能を求める場合はPostgreSQL,処理速度やWindows上での稼働を求める場合はMySQLを選ぶのが一般的とされてきた。

 しかし,2005年1月にリリースされた8.0では正式にWindowsに対応。処理速度も改善されてきており,近くリリースされる8.1では,ベータ版での計測で16CPU環境では2倍近い性能向上が見られたケースも報告されている(関連記事)。

 ここへきて,商用,オープンソースを含め,データベース選択の“常識”は大きく変わってきている。