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 日立製作所は10月31日、2006年3月期中間決算を発表した。売上高は前年同期比2%増の4兆4133億円と微増だったが、営業利益は同39%減の777億円、当期純損益は109億円の損失を計上するという厳しい決算となった。特に、ハードディスク・ドライブ(HDD)事業(日立グローバルストレージテクノロジーズ)の業績が、価格下落などにより営業損益で244億円もの赤字を計上、通期の赤字幅の見通しを300億円から360億円に修正した。

 情報通信システム部門の売上高は、ソフト/サービス分野がアウトソーシング事業の拡大を受け前年同期比1%増となったが、HDDを含むハードウエア分野はサーバーやパソコンの価格低下などにより同3%減となった。メインフレームやUNIXサーバーなどの売上高は前年同期比17%減、PCサーバーやパソコンも同17%減となった。PCサーバーの出荷台数は1万3000台と前年同期と比較して横ばいで、パソコンの出荷台数は33万2000台と前年同期比で16%程度伸びているだけに、ハード単価が大幅に下がっていることが見て取れる。三好崇司執行役専務は「サーバー、パソコンの低価格化は今後も続くだろう。特にPCサーバーやパソコン分野が厳しい」と見る。

 同部門の営業利益は、ソフト/サービス分野がシステム構築事業の不採算案件の減少などにより前年同期比60%増の370億円と好調だったが、ハードウエア分野は138億円の赤字となった。赤字の主要因はHDDである。HDDの売上高は前年同期比で3%伸びたが、競争激化による価格下落や部品の歩留まりの改善が遅れたことなどが響き、営業利益で244億円の赤字に陥った。2005年度通期の営業利益も、4月時点の見通しを60億円下方修正し、360億円の赤字になると予想する。

 電子デバイス分野やデジタルメディア・民生機器分野も収益が悪化した。電子デバイス分野では液晶事業が不振で、売り上げが前年同期比16%減の5831億円、利益が69%減の92億円になった。デジタルメディア・民生機器分野ではプラズマテレビなどの薄型テレビ、白物家電の価格低下により、売り上げが前年同期比5%減の6118億円となり、営業損益も前年同期の106億円の黒字から一転、162億円の損出を計上した。

 2006年3月期の売上高は、前年比2%増の9兆2200億円と予想する。営業利益は、HDDの赤字拡大や液晶、薄型テレビ事業の赤字により、4月時点の見通しの3000億円から2400億円に大幅に下方修正した。純利益も200億円に落ち込む見通しだ。三好執行役専務は「純利益が200億円しかないのは非常に大問題だと認識している」と危機感を隠さない。「問題はHDD、液晶、薄型テレビなどの事業だ。これらがプラスになるだけで全体の損益が押し上げられるので、なんとしてもやりきりたい」(三好執行役専務)。