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 SAPジャパンは11月1日、CRM(顧客関係管理)ソフトの新版「mySAP CRM 2005」を出荷した。約2年ぶりのメジャー・バージョンアップとなる。新版の特徴は、「これまで手作業や勘に頼る場合が多かったマーケティング関連の業務を効率化する新機能を追加した」(SAPジャパン ストラテジックソリューション事業本部の三村真宗バイスプレジデント)こと。三村バイスプレジデントは、「米国のSAPではERPパッケージの売り上げよりも、CRMソフトの売り上げが上回っている。2、3年後にCRMソフトをSAPジャパンの中核分野していきたい」と意気込みを語る。

 mySAP CRM 2005の新しいマーケティング関連の機能は、(1)ブランド・マネジメントを実現するために必要な「デジタル資産管理」、(2)引き合い情報などを効率的に代理店と共有する「ルール基準リード配信」など。このほかにERPパッケージ(統合業務パッケージ)のプロジェクト管理モジュールと連携することで、マーケティング関連の予算を管理する機能なども追加した。

 (1)は写真やロゴなどの販促に利用するコンテンツのバージョン情報や著作権情報などを一元管理する。販促資料などを作成する際に、常に最新の写真やロゴを利用し、ブランド・イメージを統一できるようにする。

 (2)は、引き合い(リード)情報を販売代理店などに振り分ける機能。「A製品の引き合い情報が入った場合は、A製品の取り扱いが最も多いY社へ」、「B地域から引き合いが入った場合は、B地域を担当するZ社へ」といったようにユーザーが決めたルールに従って、引き合い情報を振り分ける。見込み情報をいち早く代理店と共有することで、代理店と共同でマーケティングを進めることを目指す。

 mySAP CRM 2005はこうした新機能の追加のほかに、アーキテクチャも変更。CRMソフトの中核となる機能と、データの分析基盤やポータル機能を分離して提供する。具体的には、データの分析基盤にはデータ・ウエアハウス構築ソフトの「BW」を、ユーザー・インタフェースにはポータル構築ソフトの「EP」を利用する。BW、EPはmySAP CRM 2005に同こんする。

 SAPジャパンはmySAP CRMの詳細な価格を明らかにしていないが、mySAP Business Suiteの契約を結んでいるユーザーは無償で利用できる。mySAP Business Suite契約は、ERPパッケージなど主要なSAPのアプリケーションを利用できる契約形態。このほか、mySAP CRMを単独で利用できるライセンスも、1ユーザー当たり36万円で用意。ただし、このライセンスの場合は「ERPパッケージの機能を利用する予算管理のような機能は利用できない」(三村バイスプレジデント)。

 SAPジャパンはmySAP CRM 2005の出荷と同時に、米オラクルが買収を予定している米シーベル・システムズのCRMソフトのユーザー向けに「シーベル・セーフ・パッセージ・プログラム」を開始したことも明らかにした。同プログラムは、現在、シーベルのCRMソフトを利用している企業が、mySAP CRMを新規導入する場合、シーベルのCRMソフトのライセンス費用をSAPジャパンが上限75%で買い取るもの。

 こうした取り組みに加え、SAPジャパンは6人から成るmySAP CRM専門の営業部隊も作った。「2006年末までに、mySAP CRMの顧客を新規に50社獲得する」(三村バイスプレジデント)ことを目指す。