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沖電気工業のリアルタイム地震防災システム
沖電気工業のリアルタイム地震防災システム
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 沖電気工業は11月21日,地震の初期微動(P波)を即時に検知するシステム「リアルタイム地震防災システム」の販売に乗り出すと発表した。同システムを導入することで,大きな揺れとなる「S波」が到達する前に,危険物質の供給停止や社員の避難などの対処を施せる。これによって,震災の被害を最小限に食い止めることが可能になる。価格は最小構成で1000万~1500万円の見込み。沖電気の関連会社である沖環境テクノロジーが販売する。

 リアルタイム地震防災システムは,(1)工場内など現地に設置した「P波地震計」と,(2)気象庁が配信する「緊急地震速報」−−の二つを組み合わせて構築する。P波地震計で大きな揺れの前ぶれとなる初期微動を検知。次いで,緊急地震速報を基にしてS波の到達時刻を算出する仕組み。

 実際にはP波の検知からS波の到達まで,わずか数秒から数十秒の猶予しかない。しかし,沖電気は震災被害の大半がS波の到着以後であることを重視。わずかな猶予を活用することで,社員の安全な避難を誘導する緊急放送のシステムや,危険ガスの供給システム,生産ラインのシステムなどと連携させて被害の拡大を未然に防ぐ。

 今回の新システムは,沖電気の半導体生産拠点である宮城沖電気と特定非営利活動法人のリアルタイム地震情報利用協議会(REIC)と共同で開発した。宮城沖電気では,既に9月末に導入。緊急地震速報は,REICが保守・運用情報を付加した上で宮城沖電気まで配信している。REICと宮城沖電気をつなぐネットワークは,専用線と衛星回線で二重化を図っている。P波地震計は,宮城沖電気の工場内に3台を設置。導入費用は機器費用や工事費,回線の導入費用などすべて含めて2000万~3000万円かかった。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション