日本オラクルは11月28日、同社のERPパッケージ(統合業務パッケージ)「Oracle E-Business Suite(EBS)」の導入期間を短期化するための新サービス「Oracle Enterprise Offering(EO)」を来年1月から提供すると発表した。主に年商3000億円以上の大企業をターゲットにする。日本オラクルの新宅正明社長は、「これから2年半は大企業向けに注力する計画で、当社のアプリケーション事業の売り上げの半分を占める。Oracle EOはアプリケーション事業の成否を握る」とする。

 Oracle EOは、Oracle EBSの設定を自動化するツール「Oracle Accelerators」と日本企業特有の機能をOracle EBSに標準機能として追加する「Japan Baseline」を組み合わせた製品。Oracle EOには(1)業種別に日本特有の商習慣を取り入れた「インダストリーソリューション」、(2)各業種共通の業務に向けた「ホリゾンタルソリューション」、(3)データ統合用ミドルウエア「Data Hubs」を利用した「データハブソリューション」の3種類がある。

 Oracle EOのうち(1)と(3)は、日本オラクルに加え、パートナ企業も開発する。アビームコンサルティングが提供予定の小売業向けの「売場資源最適化ソリューション」は(1)に、ベリングポイントの「CPM(コーポレート・パフォーマンス・マネジメント)ソリューション」は(3)に該当する。日本オラクルは、来年1月に第一弾として10種類のOracle EOを提供、来年5月末までに30種類に増やす予定だ。

 日本オラクルの東裕二副社長は、「Oracle EO提供の狙いは、時間やコストがかかる原因だったアドオン開発を抑えること。当社が『標準的な製品の使い方』を提案することで、短期間かつ低コストでOracle EBSが導入可能になる」と説明する。アプリケーション本部の石川正明本部長によると、「アドオンを個別に開発した場合と比較して、トータル・コストを30~40%に抑えられる」という。

 Oracle Acceleratorsは、Oracle EBSをビジネス・フローにしたがって設定するためのツール。石川本部長は、「これまでEBSは会計や生産管理といった機能単位でお客様に提供してきた。だがAcceleratorsを利用することで、業務に沿った形で、機能とビジネス・フローをセットで提供できるようになる」と説明する。Japan Baselineは、Oracle EBSの機能のうち、日本企業が必要とする機能を日本オラクルが開発して標準機能として提供する部分を指す。

 競合ERPパッケージ・ベンダーも同様の取り組みをしているが、「日本向けの機能はすべて日本オラクル自身が開発している点が他社と大きく違う」と東副社長は強調する。Oracle EOという名称も「日本オラクルが独自に考えたもの」(石川本部長)だ。米国ではOracle EOという名称は利用せず、Oracle Acceleratorsを単独で提供している。日本オラクルが、新たにOracle EOという名称をつけたのは、「提供内容が米国と異なるため」(石川本部長)。インダストリーソリューションとデータハブソリューションは米国では提供していない。

 日本オラクルの新宅社長は、「日本オラクルのアプリケーション事業にとって重要なのは新規顧客の獲得。Oracle EOのような新しい取り組みによって、導入者数を増やしていきたい」と話す。また、「日本ピープルソフトと統合した際には、日本ピープルソフトのアプリケーションをOracle EOの一つとして取り入れていくこともあるだろう」(新宅社長)とした。