シトリックス・システムズ・ジャパンは2005年11月29日,米Citrix Systemsが開発した画面情報端末(シン・クライアント)ソフト「Citrix Presentation Server 4.0」に,Windows Server 2003 x64 Edition版を追加した。稼動OSの追加による価格の変動はない。希望小売価格の例は,5ユーザー版で24万7000円。
64ビットOSは従来の32ビットOSと比べてメモリー空間が広がる。Presentation Serverは個々のユーザーが業務に使うクライアントを仮想化しサーバー機上に集約して動作させる仕組みであるため,メモリー空間が広がればサーバー1台あたりで集約可能なユーザー数が増える。加えて,64ビット化により処理性能も向上する。米Citrix Systemsのベンチマークによれば,32ビット版と比べてサーバー1台あたりのユーザー数を約1.25倍に増やせる。「64ビット版の需要は高い」(大古俊輔シトリックス・システムズ・ジャパン社長)。
画面情報を表示するためのクライアント・ソフトの稼動環境も拡充する。2006年初頭には,英Symbianの「Symbian OS」を搭載する携帯電話向けのクライアント・ソフトとして,NTTドコモが出荷中である業務向けFOMA端末「FOMA M1000」(米Motorola製)版のソフトを追加する。シトリックス・システムズ・ジャパンのWWWサイト経由でM1000用のクライアント・ソフトを無償配布する予定である。
【追記】
「64ビット版が32ビット版の約1.25倍のユーザーを扱える」とする
ベンチマーク結果は,米Citrix Systemsが従来版である
MetaFrame XP Presentation Serverとの性能差を測るために実施した,
「ヘビー・ユーザーを想定したベンチマーク試験」
(シトリックス・システムズ・ジャパン)の結果。
一方,Citrix Presentation Server 4.0の
32ビット版と64ビット版の性能差を測る目的で実施した,
「ライト・ユーザーを想定したベンチマーク試験」(同社)では,
64ビット版が32ビット版の約1.6倍の性能を出したという。
(2005年11月30日)