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 「企業そのものが複雑になる一方,企業は製品やサービスを市場に投入する期間を短くしている。それに対処するために,企業情報システムをインプリメンテーションする期間も短くしなければならない。そんなとき,これまでのようにたくさんのプログラムを書いているようでは,迅速に対応できない」。

 エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)の提唱者であるジョン・ザックマン氏(写真)は,12月2日に神奈川県小田原市で開かれた講演会で,こう語った。この講演会は,データモデリングの研究会,Japan Enterprise Modeling ユーザー会が主催した。

 ザックマン氏は,企業が製品/サービスを迅速に市場投入できるよう,従来の企業情報システムの開発手法を劇的に変える必要があると指摘する。

 「機構が複雑な航空機やビルディングを迅速に開発・保守するために,開発に携わるエンジニアは作り方や構造を書類や図面にまとめている。複雑な企業活動を市場の変化に合わせて迅速に変化させるためには,“企業の作り方”をまとめた図面や書類を用意しておくことが大事だ」(ザックマン氏)。

 この企業の作り方をまとめたものが企業のアーキテクチャ,すなわちEAだとザックマン氏は説く。EAは,企業経営者や事業責任者,システムの設計者,システム開発者それぞれが企業を変革するときに必要な情報をまとめた図面や書類だとする。

 EAとしてまとめておくべき図面の例をまとめたものが,EAのフレームワークだ(写真参照,ザックマン氏の背後のスクリーンに投影されている)。このフレームワークには,企業経営者や事業責任者にとって必要な図面のほか,システム設計者,開発者向けの図面の例もまとめられている。

 ザックマン氏は,企業経営者の多くがEAの重要性に気づいていないことを嘆く。「大事なのは,企業に大きな変革が起きる前に,企業の作り方をまとめておくこと。事が起こってから用意するのでは手遅れになる。確かにEAを整備するには資金も時間もかかる。だがこれをまとめておかなければ,企業がその業界で今後ビジネスをしていくことはできなくなる。EAを整備していないことは深刻な問題なのだと認識する必要がある」とザックマン氏は主張する。