日立製作所は12月8日、シンクライアント戦略の強化を発表。同時に、2005年度の販売目標を上方修正した。情報・通信グループ長兼CEO(最高経営責任者)の古川一夫副社長は「今年2月の製品発表から10カ月。シンクライアントの売れ行きは非常に好調だ。年明けからは、さらに導入事例が相次ぐ」とアピール。この状況を受けて、当初「100億円、3万台」としていた目標を、「200億円、5万台」とほぼ2倍に改めた。大規模な案件も増え、「1社で1万クライアント以上という案件が、すでに20社以上ある」(情報・通信グループの大野信行 最高マーケティング責任者)という。

 今回発表したのは、ブレードPCの運用を支援する2種類のソフト。「ブレードPCコントロール for FLORA bd100」と「既存PC活用ソフトウェアパッケージ」である。ブレードPCコントロールはブレードPCの管理システム上で稼働するソフトで、障害時などに割り当てるブレードを切り替える機能や、ユーザーに自動的に空いているブレードを割り当てる機能を持つ。エンドユーザーがインターネットを介してブレードPCの電源オン/オフを制御できる機能も備える。価格は31万5000円から。

 一方、既存PC活用ソフトウェアパッケージは、既設のパソコンをシンクライアント化するソフト。Windows XP ProfessionalとブレードPCに接続するための通信制御ソフト、ユーザー認証用のUSB認証キー「KeyMobile」をパッケージ化した。シンクライアントは、パソコンの置き換えに比べると導入コストが高いことや、パソコンのリース期間が残っていることなどから、採用をためらう企業が少なくない。そこで日立は、既存のパソコンを使ってブレードPCを導入できる戦略を打ち出した。

 既存PC活用ソフトウェアパッケージでインストールされるWindows XPでは、ローカルのハードディスクや外部記憶装置にデータを記録できなくなるように自動設定される。これにより、エンドユーザーの操作端末としてシンクライアントを新規導入しなくても、ブレードPCを導入できる。ソフトだけで済むためコストも安く済む。ただし、すでにパソコンに記録されているデータは、あらかじめユーザーがブレードPCにコピーしておく必要がある。価格は1台当たり3万240円だが、「実売では5~6掛けになりそうだ」(大野CMO)という。