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写真1 米アバイアのダグラス・ガードナー FIFAワールドカップ・マネージング・ディレクタ
写真1 米アバイアのダグラス・ガードナー FIFAワールドカップ・マネージング・ディレクタ
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 2006年6月にドイツで開催されるサッカーのワールドカップ(W杯)。12月9日に対戦相手が決まり,本番に向け各国のムードも徐々に盛り上がりを見せてきた。この世界有数の国際イベントに情報通信機器を供給し,通信事業者のドイツテレコムらと共に大会を支えるのが,米国の通信機器メーカー大手アバイアだ。同社のダグラス・ガードナー FIFAワールドカップ・マネージング・ディレクタ(写真1)に,ネットワーク運用の概要を聞いた。

−−W杯のネットワークの概要を教えてほしい。

 W杯で使用するスタジアムはドイツ国内に12ある。これらのスタジアムと,FIFA(国際サッカー連盟)本部,メディア・センター,放送センターなど数十カ所をプライベートなネットワークで接続する。データ・センター経由でインターネットにもつながっている。

 これらのネットワークには,音声,ビデオ会議,リアルタイムの試合状況や画像データなどさまざまな情報が流れる。ピーク時には20万人がネットワークにアクセスし,15T~20T(テラ)バイトのトラフィックが流れると見ている。このトラフィック量は,2002年の日韓大会のときのざっと1.5倍だ。

 すべての設備は障害に備えて2重化しているが,ドイツでは国内のリーグ戦がW杯が始まる5月直前まで続くため,試合のない合間に設備の設置を進めている。現在の設置状況は約70%程度が完了した。

 並行してフランクフルトにあるテスト・センター内で,通信機器の導入テストを毎日繰り返している。導入段階でバグが見つかると,すべてのスタジアムの設置過程に影響を及ぼすからだ。

−−前回のW杯で運用したシステムとの違いは

 大きな違いはIPベースのアプリケーションになったこと。音声は,ほぼすべてIP電話を利用する。試合状況を中継するアプリケーションなども,Webベースのアプリケーションだ。

 さらに,一部のW杯のチケットに無線ICタグを付与して,本人確認と入退出管理を実施する。今年5月に開催したコンフェデレーションズ・カップで,既に試験的に運用している。

 無線LAN環境も前回に比べて大幅に拡充している。前回は一部のフィールド内で提供した。カメラマンが写真画像を送受信できるようにするためだ。前回はまだそれほど利用されなかったが,今回は多くの関係者が既に利用することを表明しており,全スタジアムに広げる。

−−アバイアがW杯の公式パートナになる狙いは。

 ビジネス分野にフォーカスする当社が,一般消費者の大きな注目を集めるW杯のスポンサーとなるのは,確かに奇妙に思えるかも知れない。だが,世界有数のイベントのスポンサーはさまざまなメリットがある。

 例えば,世界での知名度向上にはこの上ない手段。当社はグローバルな市場を相手にビジネスをしている。世界的に知名度を向上させる必要がある。そんなとき,世界で30億人が視聴するとも言われるW杯は最善の手だ。視聴者の中には我々のメイン・ターゲットであるITマネージャーも含まれているだろう。

 さらに,これだけの巨大なネットワークをトラブルなく構築・運用できる実績は,今後の商談に大きな追い風となる。正直に言えば,米国ではW杯は盛り上がりに欠けている点は否定できない。その代わり,金融系を中心とした企業は,当社がインフラをトラブルなく運用できるかに注目している。