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 坂村健 東京大学教授が提唱するユビキタス・コンピューティングの基盤技術「uID(ユビキタスID)」が、海外でも注目を浴びている。2006年中に韓国やオーストラリアでuIDを使った実証実験が始まる。両国では坂村教授らとの共同研究もスタートしている。こうした動きは、中国、シンガポール、タイ、ベトナムにも広がる見込みだ。

 uIDは、モノや場所を区別するために一意の番号を振るシステム(参考記事)。坂村教授が率いる組織、ユビキタスIDセンターは今年4月、韓国インターネット振興院(NIDA)との間で、uIDの推進や技術開発面について協力関係を締結済み。すでに各種の実証実験を進めている(参考記事)。

 世界規模でuIDを使うためには、各国でuIDを運営する仕組みが不可欠だ。NIDAは11月、uIDの試験運用を始めた。韓国の組織や企業にuIDの仕組みを提供する。日本のユビキタスIDセンターの運営作業を一部引き受ける形である。

 一方、オーストラリア・タスマニア州では9月に「ユビキタス・コンピューティング研究所」が立ち上がった。州政府の支援を受け、ユビキタスIDセンターと現地の民間企業が共同で設立したものである。ここではユビキタス分野の研究開発を進めるほか、uIDの運営センターとしての役割も担う。2006年中には、現地の民間企業も交えて、医療や水産物の管理を目的に、uIDを使った実証実験を始める予定だ。

 中国にもuIDの運営センターを設置する計画だ。中国家電研究院が家電製品のリサイクルにuIDを適用する意向。まずは2006年以降の実証実験で可能性を確かめる。

 組み込みOS「T-Engine」の開発者を育成する目的ですでに協力関係にあるシンガポール、タイ、ベトナムにも、uIDの運営センターを設置する予定だ。坂村教授が所長を務めるYRPユビキタスネットワーキング研究所は、今年からの3カ年計画として「アジア・ユビキタス・プロジェクト」を進めている。それぞれの活動は、このプロジェクトの一環である。

 YRPユビキタスネットワーキング研究所の越塚登副所長は、「アジアで実用的なユビキタス技術のプラットフォーム(基盤)を作り、それを世界に発信していきたい」と世界展開に意欲をみせる。

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