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写真1 米アバイアのホーヘイ R.ブランコ ストラテジック・マーケティング バイスプレジデント
写真1 米アバイアのホーヘイ R.ブランコ ストラテジック・マーケティング バイスプレジデント
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 米国の大手通信機器メーカーであるアバイアのマーケティング戦略の立案責任者,ホーヘイ R.ブランコ ストラテジック・マーケティング バイスプレジデントが来日。同社の今後の展開や欧米市場でのIP電話の動向を聞いた。

--SIP(session initiation protocol)への移行について教えてほしい。

 アバイアが提供しているIP電話ソリューションは,既にSIPへの対応はできている。SIPサーバーである「Avaya Converged Communication Server」を出荷している。プレゼンス(在席情報)の機能や,当社のIP電話サーバーと同等の機能も提供できる。

 呼制御プロトコルにSIPを使うことで,相互運用性は上がる。通信事業者のIP電話サービスへの対応も取りやすい。また当社の製品は,自社製端末だけではなく,東芝とはSIPを使った製品開発で提携している。

--SIPが普及することで,IP電話市場の競争環境が垂直統合型から水平分離型に変わっていくのではないか。

 さまざまな競争が生まれるのは否定できないと思う。ただし,当社にとってそれは逆風ではない。選択肢は広がっても,端末の提供からIP電話サーバーの提供まで1社でできるエンド・ツー・エンドのソリューション提供としては,今まで以上に競争力を見出せると思っている。

 SIPが普及していく中で,IP電話端末そのものの能力も重要になってくる。エンド・ポイントのデバイスがより賢くなれば,電話だけではなく,さまざまなアプリケーションが利用できるようになる。当社はそうしたインテリジェンスを持った端末を提供できる強みがある。

--ピア・ツー・ピアの技術を持つカナダのニムキャット・ネットワークスを9月に買収した理由は。

 ニムキャット・ネットワークスを買収したのは,小規模ユーザーに対してシンプルなソリューションを提供するのに適した技術が,ピア・ツー・ピアであると判断したからだ。ピア・ツー・ピアの機能がIP電話機に入ることで,小規模なオフィスにも容易にIP電話が導入できるようになる。

 当社のIP電話機の中では「4621SW」,「4610SW」の2機種がピア・ツー・ピアの機能に対応する予定だ。対象はユーザーが20人以下のオフィス。オフィスのLANにIP電話機を接続するだけで,IP電話機がお互いを認識するため,サーバーなどが不要になる。外線との接続が必要な場合も,小さなゲートウエイがあれば事足りる。

 ピア・ツー・ピアと言うと,無償のインターネット電話である「Skype」を意識したのかと聞かれることがあるが,そうではない。Skypeの技術は興味深いが,ビジネスで使えるレベルにはなっていないと考えている。

--AsteriskなどオープンソースのIP-PBXソフトウエアのビジネス上の影響はあるか。

 まだビジネス上の実質的な影響は出ていない。だからと言って影響が全くないとは言い難い。音声を含めたコミュニケーション市場のビジネスモデル自体が変革してきているのではないかと思う。

 今のところは,オープンソースのIP-PBXを使って独自でインテグレーションを図ろうとする顧客はいない。とはいえ,こうしたオープンソースのソフトウエアは,私たちのソリューションとして取り込み,有効活用することも考えられる。既にアバイアはLinuxを使っており,オープンソースにはなじみがある。

 今のIP電話市場は変化の渦中にある。アバイア自身も次世代に向けて自己変革を続けていく。コミュニケーション市場は,これからますますソフトウエア指向型になる。オープンソースの技術が台頭したとしても,それは脅威ではない。そのとき同じ標準的な技術を使っていれば,オープンソースを担ぐ企業とパートナーを組む良い機会となるだろう。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション