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 システム・トラブルは毎年後を絶たないが、今年は社会のインフラとも言うべき証券取引所で、立て続けに障害が起きた。特にジェイコム株の誤発注問題では、システムの不具合が原因となり400億円を超す巨大な損害が発生。システム・トラブルが呼び込む損失の大きさを、まざまざと見せつけた。

 システム開発にからむ訴訟や、個人情報の漏洩事件も続発。情報漏洩の危険性を低減させようと「シン・クライアント」を導入する企業が相次いだ。一方夏には、「日本版SOX法」の策定も始動。2005年はシステムのリスク・マネジメントについて、その必要性を示唆するニュースが多かった年と言えるだろう。

■続発した証券取引所のシステム・トラブル

 「東京証券取引所のシステム・トラブル、午前中の取引を完全に停止」。「またも東証、システム不具合でみずほ証券の誤発注を取り消せず」。11月から12月にかけて、新聞やニュース・サイトではこんな見出しが飛び交った。

 東証だけではない。今年は名古屋証券取引所やジャスダック証券取引所でも、取引停止に至るトラブルが発生。“社会インフラ化”して久しい情報システムについて、安全性の疑念を抱かせた。障害の嵐が吹き荒れた2005年は、システム関係者にとって忘れられない年になることだろう。

 12月20日、東証の経営トップはみずほ証券のシステム不具合の責任を負って退任した。担当開発ベンダーである富士通の責任問題も取り沙汰されている。そんな状況から「システム・トラブルは経営リスク」という言葉がさらに強く語られるようになった。一方、システム開発・運用の現場に目を転じてみると、原因とされる「単純なミス」が、ミッション・クリティカルなシステムになぜ発生したのか、疑問の声が挙がっている。

 社会を支える情報システムを運用しているという誇りと責任感。ベンダー、ユーザー企業ともども、経営トップから現場のシステム担当者に至るまで、良い意味でのプライドが必要とされているのかもしれない。

◆東証
【続報】東証のシステムが復旧、障害原因は10月上旬に更新したプログラム(11月1日)
東証,ジャスダック---相次ぐ証券取引所のシステム障害(11月2日)
東証システム障害の真相、富士通の指示ミスでプログラムが呼び出し不能に(11月7日)
東証ダウン、真の原因はプログラムの破損(11月11日)

◆ジャスダック
「注文の取り消し要求殺到がシステム停止の原因」、ジャスダックが会見(2月9日)
「原因は取引所システムそのもの」、ジャスダックが9日の障害原因を公表(2月23日)
【続々報】ジャスダックの停止は単純な設定ミス,バックアップも機能せず(8月29日)

◆名証
名証でもトラブル、11月4日朝の立会を延期(11月4日)
【続報】名証、午後の取引から再開。障害原因はデータベースの不具合(11月4日)
【続々報】名証のシステム障害、バックアップで復旧するも原因究明はこれから(11月4日)
名証システム障害、原因は外注先オペレータの“操作ミス”(11月18日)
富士通が東証、名証のダウンで社内処分、社長は報酬50%を6カ月間カット(11月25日)

◆みずほ証券の誤発注
みずほ証券の誤発注問題、東証のシステムにも不具合(12月12日)
名証の売買システムにも東証と同じ不具合、いずれも富士通製(12月13日)
東証、誤発注事件を受けた処分と新体制を正式決定 (12月20日)

■鎮火しては勃発する、システム構築ベンダーとユーザー企業間の訴訟

東洋ビジネスエンジ、システム・トラブルで訴えられる(6月6日)
「当社の正当性を主張する」、東洋ビジネス社長が顧客の提訴に争う姿勢を再度強調(8月4日)
イーシー・ワンと白銅の“動かないコンピュータ”訴訟が決着(12月16日)
コンピュータ紛争の三大原因は納期遅れ、品質不良、契約の不備 (5月27日)

■「日本版SOX法」が始動、IT業界への影響大

「ITは内部統制に不可欠な要素」、金融庁が日本版SOX法の修正案作成(11月10日)

「米国SOX法のコピーにはしない」、金融庁が日本版SOX法の基準案を公開(12月8日)
日本版SOX法対応投資が2006年に急増、企業統治関連は2009年に7000億円超へ (12月14日)

■「シン・クライアント」が復活、情報漏洩への意識の高まりが背景に

ぷらら、サンのシン・クライアント大量導入(3月16日)
日立製作所が社員用PCに漏えい対策 出先からWindowsを遠隔操作(3月22日)
和歌山県、全庁4000台のパソコンをシン・クライアント端末に(5月13日)
昔と違う「新(シン)クライアント」(5月30日)
情報漏えい対策で注目集めるシン・クライアント(5月27日)
鳥取県、リモートアクセス環境を整備し、出張時のパソコン利用などで活用(9月1日)
経産省による教育現場へのLinuxデスクトップ導入が2年目に突入,シンクライアントを採用(9月20日)
Macをシン・クライアントに、情報の流れを改善して業務改革(10月11日)
リクルートエイブリックがLinuxベースのモバイル・シンクライアント導入へ,徹底したセキュリティ確保を狙う(10月24日)
「町役場丸ごと」も---経産省がLinuxデスクトップ数百台を札幌市,栃木県二宮町など4自治体へ導入へ(11月14日)
NEC,シン・クライアントを自社に1万台導入,ノート型端末を追加(11月22日)
堅牢かつ最先端の社内ネット シン・クライアントから“検疫”まで--外為どっとコム(12月8日)

■ソフトの世界に動揺を巻き起こした「一太郎」訴訟

特許侵害で「一太郎」、「花子」に製造・販売中止と廃棄命令(2月1日)
【続報】「当社が負ければ、世界中に問題がおよぶ」、敗訴のジャストシステムが会見(2月1日)
松下電器による一太郎訴訟への抗議サイトに約2000件の署名(2月14日)
「到底承服できない」、ジャストシステムが特許訴訟で控訴(2月8日)
ジャストシステム、控訴検討の一方で「修正ソフトの配布もありうる」(2月4日)
【続報・一太郎・花子の販売差し止め請求棄却】
知財高裁、ジャストの主張を全面支持。松下の特許は無効と指摘
(9月30日)

■広まる「パテント・コモンズ」の動き

IBMが500件の特許をすべてのオープンソース・ソフトウエアに許諾(1月11日)
米IBMの特許公開の真意は何か——担当副社長を直撃 (3月7日)