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セブン&アイの鈴木敏文会長(右)とミレニアムの和田繁明社長
セブン&アイの鈴木敏文会長(右)とミレニアムの和田繁明社長
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 セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)とミレニアムリテイリング(ミレニアム)は12月26日、事業提携と経営統合に関する記者会見を開催し、統合の方針について説明した。その中で両社は、2011年までに情報システムの運用を含むバックオフィス業務を一元化し、子会社を設立してシェアド・サービス形式で提供することを明らかにした。ミレニアムの和田繁明社長(写真左)は、それによって「効率化をとことん極める」と話す。

 セブン&アイはGMS(総合小売業)「イトーヨーカ堂」やコンビニエンス・ストア(CVS)「セブン-イレブン」、外食の「デニーズ」などを傘下に持つ。一方のミレニアムは百貨店「西武百貨店」と「そごう」の持ち株会社である。セブン&アイは2006年1月末までに、ミレニアムの株式の約65%を取得し、子会社化する。

 両社は経営統合に当たり、財務や人事などのバックオフィス業務を一元化すると同時に、バックオフィス業務を支えるシステム開発・運用業務をシェアド・サービスにする見込みだ。シェアド・サービスとして業務を切り離すことで、ホールディングス本部が事業戦略の策定に専念できるようにする。同時に「可能な限り、コスト削減を目指していく」(和田社長)。

 カード・ビジネスなどITを活用したサービスについても、2011年までに両社で共通化する予定だ。セブン&アイの鈴木敏文会長(写真右)は、「ミレニアムがいち早く、顧客情報を活用したパーソナル・マーケティングを実施したことに感銘を受けた」点を、ミレニアムを提携先として選んだ理由の一つとして挙げる。

 鈴木会長は、「百貨店を運営しているミレニアムの考え方を入れて、互いのよさを出し合えば、当社のGMSやCVSに改革を起こすことが可能になる。これは大きなメリットと考えている」と、セブン&アイにとっての経営統合の意義を強調。2007年2月期に上場を予定していたミレニアムは、「フジテレビや阪神電鉄の買収騒動を見て、安定株主の必要性を痛感していた。候補として20社程度を検討したところ、当社の業務を深く理解してくれるセブン&アイが最適な相手だと考えた」(和田社長)とした。

 セブン&アイは、2006年1月31日までに野村プリンシパル・ファイナンス(NPF)が保有するミレニアムの株式すべてを、1株当たり2622円の現金で買い取る。これは発行済み株式総数の65.5%に相当する。その後2006年3月末までに、残りの株式を持つ株主からセブン&アイがNPFと同じ条件で買い取るか、6月末までにセブン&アイの株式と交換(比率はミレニアム1株に対してセブン&アイ0.61株)することで、ミレニアムを完全子会社化する。

 セブン&アイは、ミレニアムの子会社化に約2000億円を投じる。経営統合後の両社の年間売上高は約4兆6000億円となり、連結でGMS「ジャスコ」などを運営するイオンを抜き、日本最大の流通グループとなる。

 両社は今後、取締役の交換や統合準備委員会の設立を通じて、「両社のノウハウを交換して、新たな戦略を作り上げていく」(和田社長)予定だ。和田社長は、2006年5月下旬にセブン&アイの副会長に就任する。ミレニアムの名称は消えるが、西武百貨店やそごうのプランド名は残る。鈴木会長は、「今回の経営統合は単なる買収ではない。“革新”のGMSと“伝統”の百貨店を融合した上で、互いの業種や業態を尊重した形で残していく」と説明する。