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 日興シティグループ証券が1月5日、前日の東京証券取引所(東証)で誤注文があったと発表した件は、情報システムの不備や障害とは無関係だった。前年12月8日に起こったみずほ証券による誤発注では、東証のシステムが誤発注の取り消し注文を受け付けないというバグが重なり事態が拡大し、東証社長らの辞任にまで発展した。

 今回の誤発注は、4日午前に日興シティグループ証券の従業員が、日本製紙グループ本社の株を「2株」で買い注文を出すべきところを「2000株」と間違ったもの。従業員が自分の口座にある約140万円の資金を使った取引で、同社規定により紙の申請書を作成し、法規監理部のチェック後に、同社トレーダが売買端末から入力した。

 トレーダは指示を受けた時点で、注文数に間違いがないかどうかを従業員に確認したが、従業員は「問題ない」と回答していた。売買端末は、1株単位で注文できる株式に対し1001株以上の取り引きが入力されるとアラートを出す仕組みになっており、この時もアラートを発していたが、従業員に注文数を確認したばかりだったため、アラートを無視し注文を出したという。

 誤った申請を出した従業員は、株式の売買単位を1株単位ではなく1000株単位に、1株の値段を50万2000円ではなく502円と勘違いしていたため、2000株の買い注文を作成してしまった。注文内容や本人の資金を確認した法規監理部も売買単位と単価の間違いに気付かず、トレーダに売買指示を出したことになる。

 日興シティグループ証券は、今回の誤発注で発生した損失額について明らかにしておらず、「今後公表するかどうかも決まっていない」(広報室)。損失の負担については、「基本的には個人の取り引きなので責任は従業員にあるものの、法規監理部にも間違いを発見できなかったミスがある。負担の方法や割合は今後協議していく予定」(広報室)としている。