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 パソコンメーカーのソーテックが1月25日、法人向けパソコン事業への本格参入を発表、法人向けの新ブランド「e-three(イースリー)」のデスクトップおよびノートパソコン製品の販売を開始した。これまでコンシューマにターゲットを絞り「SOTEC」ブランドのデスクトップやノート製品を販売してきた。「デルと同じ頃にPCに参入して22年経つが、先方は世界に名だたるPCメーカーで、当社は4期連続の赤字。コンシューマ事業だけで利益を上げることは非常に難しい」(山田健介社長、写真)と決断した。生産設備を持たないファブレス経営でも知られる同社だが、これも返上してBTO(注文生産)とする。横浜のキッティングセンターで最終組み立てと、4~6時間の稼働テストを行ってから発送するという。「目指すはデルモデル。3~6日程度の納期を達成したい」(山田社長)。

 従来の量販店チャネルに加え、同社の法人営業部隊による直販、Webサイトなどでの直販、そしてシステムインテグレータ経由の間接販売も開始する。現在、システムインテグレータに採用を働きかけており、ユニアデックスが既に扱いを決めているほか、シンクライアント端末の開発などを得意とするネクスターム(東京都港区、鵜飼伸行社長)と提携、共同で商材を開発する。

 システムインテグレータの支持獲得の武器となるのが、小ロットでもハードをカスタマイズできることという。米田祐司・営業本部副本部長は「製品に顧客企業のロゴを付けるといったレベルから、ディスクレス化、生体認証モジュールの組み込みなど、ハードのカスタマイズに対するニーズは多い。従来は3000~5000台規模でないとできなかったが、当社はこの半分の規模で引き受ける」と語る。日本の法人向けパソコン市場は、商材のコモディティ化が進んだ上に、外資系、国産合わせて6社を超える大手メーカーがひしめく過密地帯。ここにどうやって食い込んでいくか注目だ。