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写真1 総務省が2月1日開催した「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」
写真1 総務省が2月1日開催した「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」
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写真2 懇談会に参加するNTT和田紀夫社長(左から1番目),ソフトバンク孫正義社長(左から2番目),KDDI小野寺正社長(右から1番目)
写真2 懇談会に参加するNTT和田紀夫社長(左から1番目),ソフトバンク孫正義社長(左から2番目),KDDI小野寺正社長(右から1番目)
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 総務省が2月1日開催した通信サービスのIP化に向けた制度を議論する会合「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」では,NTT,KDDI,ソフトバンクの3大通信事業者トップを中心に議論が進められた(写真1,関連記事)。

 中でも注目を集めたのが,ソフトバンク孫正義社長の提案(写真2)。「NTTは光ファイバはもうからないと言っている。本当にもうからないと言うのであれば,分離すればいいのではないか」(孫社長)として,NTT東西地域会社からアクセス回線部門を分離して切り出すことを要求。さらに,切り出したアクセス回線会社の運営に言及した。

 孫社長は「光ファイバを全6000万回線に普及させる『ユニバーサル回線会社』を民間も資本参加して設立すべきだ」と机を叩きながら興奮した面持ちで提案。「私の試算だと月額690円で一回線を提供できる」(孫社長)とぶち上げた。敷設にはおよそ5年間で6兆円がかかり,これを20年間で償却。690円には光ファイバの運用コストも含まれるという。

 これに対してNTT持ち株会社の和田紀夫社長は,孫社長の言葉に時折首をかしげつつ「そんな価格でできるのなら,教えていただきたいくらい」と切って落とした。またインフラの分離議論には「アクセス回線は災害時なども含めて常にメンテナンスしていかなければならない。曲がる光ファイバなど様々な研究開発もしている。こういうものに対する情熱が大事なんだ」とNTTによる保守と研究開発の重要性を説いた。

 NTT独占を批判する急先鋒のKDDI小野寺正社長兼会長は強い口調で,現在のNTTグループのあり方を批判した。

 具体的には昨年末にNTT持ち株会社が発表した中期経営戦略について「なぜ持ち株会社が計画を策定しているのか。NTTのグループ内の競争を廃した結束強化の暴挙だ」と発言。「NTTは人事の交流など様々な形態が採れるし,持ち株会社が司令塔として動いている。(1999年の)NTTを分離分割した再編の趣旨に反している。素人目に見て脱法行為」との考えを示した。

 また,小野寺社長も孫社長と同様に東西NTTからアクセス回線部門を分離して,別会社化することを提案。「アクセス会社は民間でやっていくべきだろう,当社も応分の出資をしたい」(小野寺社長)と締めくくった。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション