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 IT関連の総合展示会「NET&COM 2006」では,展示会とともに特別セミナーを開催している。2月1日開催のセミナー「東証システム・トラブルの全容」には,200人を超える聴講者が集まり,システム・トラブルに対する関心の高さをうかがわせた。

 セミナーでは,昨年11月1日以降に次々と東京証券取引所を襲ったシステム・トラブルの経緯や原因を,日経コンピュータの志度昌宏副編集長が総括(関連サイト)。トラブルの原因はシステムだけでなく,連絡体制や運用体制などアナログ面での原因もあるとした上で,「これらが複合的に絡んで,大規模なシステム・トラブルに発展した」との見方を示した。また,東証に限らず,「ベンダーへの依存度が高くなりすぎ,ユーザー企業(IT部門)が弱体化していることの表れでもある」(同)と指摘した。

 東証問題は「老朽化したシステムが原因」という一部報道があるが,実際にはシステムの機能は海外よりも進んでいることも示した。例えばニューヨーク証券取引所では,1100株以下の取引は,取引所の「場」で人が処理している。取引量の95%はシステムが処理しているが,取引額に換算すると全体の約4割に過ぎない。また,東証のように取引にかかわる情報をリアルタイムに証券会社に配信する仕組みもない。一方,東証ではすべての取引をシステムで処理し,同時に市況などの情報を配信している。

 東証では,誤発注などの人的ミスをシステム側で防ぐ対策をある程度は実施している。それでも,結果的に大規模なトラブルに発展してしまった。セミナーでは,「電話が通じないなど,ある場面においては予想もしない問題が起きる。そこまで考え,システムを構築したり運用体制を考えていかなければならない」(同)とまとめた。