PR
[画像のクリックで拡大表示]

 「コミュニケーションにはテクニックがある。手法を学び,今すぐやろうと決心すれば,だれでも実践できる」。NET&COM初日の2月1日,セミナー会場でひときわ大きな人だかりができていたのが,講演プログラムの「プロジェクト・チームを強化するコミュニケーション・スキル」。講師は,教育ベンダーのグローバル ナレッジ ネットワークで人材教育コンサルタントを務める田中 淳子氏である。

 田中氏は「今日オフィスに帰ってすぐに実践できるコミュニケーション術」と銘打ったうえで,プロジェクト・マネジャやリーダーに役立つノウハウを披露した。

 相づちを打ち,なるほどと言いながら「私はあなたの話をきちんと聞いている」という安心感を持たせること。作業の目的を伝えて仕事の全体感を見せること。メンバーの成果物については,良い点をほめたうえで,改善してほしい点を具体的に伝えること。まず田中氏は,チームを運営していく上で必要な基本テクニックを紹介した。

 しばしば部下とのコミュニケーションを円滑にするコツとして挙げられるのが,「ほめて伸ばせ」である。しかし上司や先輩にとっては,「部下のほめるべき点が見つからない」という悩みもある。

 田中氏は「そうした意見もあるだろう」と認めたうえで,「視点を少し変えれば,ほめるべき点を見つけやすい」とアドバイスする。田中氏によると,上司や先輩は無意識のうちに,ほめるポイントとして平均以上,つまりプラスアルファを見つけようとするという。

 しかしそれは相手に多くを求めることにもなり,難しい。だから視点を少し下げ,“プラスマイナスゼロ以上”をほめるつもりで臨む。「こんな気持ちでいれば,部下のほめるべきポイントを探しやすくなるはず」(田中氏)。

 「部下とのコミュニケーションが円滑になると,部下から上がってくる情報の量も質も格段に改善する」と田中氏は断言する。マネジャに入ってくる情報の量や質は,言うまでもなくプロジェクトの成否を大きく左右する。

 「非常に素晴らしい技術を持っているのに,周囲への説明がうまくないがために,その能力が十分に発揮できない人がたくさんいる」。田中氏はこれまでの教育経験から,ITエンジニアの現状をこう話す。「性格を変えてコミュニケーション好きになろうとしたって,そう簡単にできることではない。それより,ちょっとテクニックを学んで,それを実践してみることから始めませんか」とITエンジニアにエールを送る。

 会場では前列から最後列まで,配付資料にメモを細かく取る聴衆の姿が目立った。それだけコミュニケーションに悩むITエンジニアが多いということだろうか。

■変更履歴
初出時,解釈によっては,田中 淳子氏の発言の意図とは離れてしまう表現があったため,変更しました。具体的には,最初のパラグラフ中の「コミュニケーションはテクニック」を「コミュニケーションにはテクニックがある」へ,また最後から2番目のパラグラフ中の「コミュニケーションはあくまでテクニック。コミュニケーション好きになろう,などといきなり性格を変える必要はない。素養もさほど関係ない。テクニックを学んで動作を変えれば,その効果をすぐにでも実感できるはず」を「性格を変えてコミュニケーション好きになろうとしたって,そう簡単にできることではない。それより,ちょっとテクニックを学んで,それを実践してみることから始めませんか」へ。[2006/02/06 12:07]