中期経営方針を発表するストリンガー会長兼CEO(中)
中期経営方針を発表するストリンガー会長兼CEO(中)
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 業績が低迷するソニーは先ごろ、2007 年度までの中期経営方針を発表した。事業立て直しの柱となるコスト削減策として、低収益の15 事業は売却、他社との提携などで圧縮し、製品モデル数も2005 年度比で20 %削減する。このほか、11カ所の製造拠点の統廃合、1 万人の人員削減、本社・間接部門の効率化などによって総額2000 億円の削減効果を見込む。なお、今回のリストラ策により、約2100億円の構造改革費用が発生し、2005 年度の連結営業損益は当初見込みの300 億円から200 億円の赤字に転落する。

 一部で報道があった金融事業やプロバイダー事業の売却については否定。金融事業は2007 年度以降に、「So-net」などプロバイダー事業を運営するソニーコミュニケーションネットワークは2005年度中に、それぞれ株式公開する。

 エレクトロニクス事業はカンパニー制を廃止。従来3 つに分かれていたオーディオ事業を1 つに集約するなど、細分化されていた組織の融合を目指す。

 しかし、今回の経営方針に対する市場の反応は厳しい。方針を発表した翌週の株価は下がったまま、9 月30 日現在、発表前水準を回復していない。ハワード・ストリンガー会長兼CEO は英経済紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、株価下落について「日本では人員削減を嫌い、米国ではリストラが不十分と評価された」との認識を示した。

 また、今回示されたコスト削減策について、社内の議論を経た結果、当初、自分が考えていた案よりも規模は小さくなったと説明、「CRT 事業を我々がやめることはできないと思うか」とFT紙記者に問いかけるなど、リストラ策に聖域は設けない意志を示している。今後の業績次第では、さらなるリストラ策を打ち出す可能性もある。