【マイクロソフトが和解した主な相手と支払い金額】
【マイクロソフトが和解した主な相手と支払い金額】
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 巨額の和解金を支払うことで、競合各社との訴訟問題に決着をつける」。米マイクロソフトがそんなビジネス戦略を加速させている。

 「他社のプレーヤーソフトを不当に排除した」ことを理由に米リアルネットワークスから米独占禁止法違反で訴えられていた件について、10月11日、マイクロソフトはリアルに総額7億6100万ドルを支払うことで和解すると発表した。同社はここ数年、相次ぎ大型和解案件をまとめている(表)。

 ベンチャー期を脱して企業規模も巨大になった同社の今のポリシーは「企業としての社会的責任を果たすこと」。競合他社を追い込み、訴訟も受けて立つほどの、かつての攻撃的な態度は影を潜めた。

 しかし、そこにはしたたかな計算が働いている。実際、同社がプレーヤーソフトなどの分野でライバルと考えているのは、もはやリアルではなくアップルコンピュータ。人気の携帯端末「iPod」や200万曲以上を誇る音楽配信サービスをテコに、アップルは1000万人以上が利用しているプレーヤーソフト「iTunes」を提供する。リアルとの和解は、後顧の憂いなく次の相手に立ち向かうための基礎固めともいえる。

 ほかにも例えば破格の金額を支払って米サン・マイクロシステムズとのJava VM訴訟を決着させた。これによりマイクロソフトは、大手を振って同社が提供していたJava VMのサポート終了期限を宣言、サンが提供するJava VMへの移行も推奨していない。同社が狙うのは、訴訟の継続中も着実に開発を進めてきた.NET技術へのスムーズな移行だ。巨額な和解金を支払っても自社技術の普及を目指せるところに、同社の余裕としたたかさが見て取れる。