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「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」の第4回会合では,日本メーカーの国際競争力などが議論された
「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」の第4回会合では,日本メーカーの国際競争力などが議論された
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 総務省は2月22日,通信サービスのIP化に向けた制度を議論する「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」の第4回会合を開催した。約3時間におよぶ会合では,大手通信事業者などのトップ陣が激論を戦わせた。

 今回は前回に続き,通信事業者やコンテンツ事業者らへのヒアリングを実施した。ケイ・オプティコム,ジュピターテレコム,テレコムサービス協会,情報通信ネットワーク産業協会,富士通,モバイルコンテンツフォーラム,インフォシティ,東京都地域婦人団体連盟の各社/団体が意見を述べた。その後,いくつかのテーマについて意見を交わした。

 座長を努める林敏彦・放送大学教授が日本のメーカーの国際競争力について質問を投げかけると,イー・アクセスの種野晴夫社長が「当社では海外の製品を多く使っている。故障が多く苦労しているが,欲しい機能が安価なので買ってしまう。国産製品は故障しないが高い」と発言。「グローバル・メーカーはユーザーのニーズを見ているが,国内メーカーはNTTに照準を合わせて作る。結果として我々の欲しいものが出てこない」(同)と苦言を呈した。ソフトバンクの孫正義社長も,「国内メーカーはNTT仕様しか作らない」と追随した。

 これに対してNTT持ち株会社の和田紀夫社長は,「ルーターやサーバーでは遅れている面もあるが,光関係や映像圧縮技術など日本が進んでいる技術もたくさんある」と日本のメーカーを擁護した。

 富士通の黒川博昭社長は,「グローバル展開が遅れていることに対してNTTがどうこうとは言いたくない。我々のマーケットへのアプローチ方法がおかしかった」と分析。さらに,「当社が28%のシェアを押さえる光システムは,NTTがどこよりも早く光アクセスに目を付けて,ベンダーと一緒に開発する体制を作り上げてくれたからこそ成し得たもの」とNTTとの共同歩調にメリットがあることも強調した。

 また,前回の会合で「月額690円の光ファイバ」で物議をかもしたソフトバンクが詳細な説明資料を提出した(関連記事)。ソフトバンクの孫正義社長は,NTTから回線部門を分離し,新たに「ユニバーサル回線会社」を設立すれば,光ファイバの利用料金を大幅に安くできると主張。

 「690円ファイバ」は,前回の会合ではNTTの和田社長から「そんな価格でできるのなら,教えていただきたいくらい」と一蹴(いっしゅう)されていた。孫社長は資料を使って計算方法を改めて説明しながら,「既にNTTが投資した分は分離して,運営費や保守費を含めて簿価で支払う」という考えを明らかにした。この提案に対して座長は「他の重要な案件と同列で議論したい」とした。

 

(山根 小雪=日経コミュニケーション