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首都大学東京の石島辰太郎システムデザイン学部長
首都大学東京の石島辰太郎システムデザイン学部長
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 2005年に東京都立大学,東京都立科学技術大学など旧都立4大学が合併して発足した首都大学東京。その首都大学東京が2006年4月,情報産業分野の専門家を養成する大学院大学「産業技術大学院大学」を設立する。ここでは,すべての講義内容を録画してインターネットで配信する予定という。学長に就任予定の首都大学東京の石島辰太郎システムデザイン学部長に,ネット配信の目的やシステム構成などについて聞いた。(聞き手は堀越 功=日経コミュニケーション

——講義内容を録画してネット配信する目的は

 産業技術大学院大学は,企業で活躍している社会人を対象とした大学院大学だ。社会人のキャリア・アップにつながるようなカリキュラムを用意する。働きながらでも通えるように講義は夜間となるが,それでも仕事の都合で出席できなくなることもあるだろう。それを補うために講義内容をネットで配信しようと考えている。

 本学のカリキュラムは,短期間で学習効果を高めるために,学期を4期に分けるクォータ制を取っている。2,3カ月で一つの講座が完結する形だ。そのため1回講義を欠席すると,学習効果に大きく響く。学生にとっても,ネットで講義を見たいというニーズはあるだろう。

——どのようなシステムを使って配信するのか

 eラーニングの世界標準となっている学習管理システム「LMS(Learning Management System)」をベースに使う。LMSはWebブラウザを使って学習ができるシステムで,学習の進捗状況や履歴の管理もできる。

 講義を録画して配信するシステムは,首都大学東京が開発したシステムを使おうと考えている。これは本学の日野キャンパスで実験的に利用している。録画の自動的化も可能だ。映像配信の仕組みは意外と簡単にできる。例えば米スタンフォード大学も講義内容を録画してネット配信しているが,システム自体はサーバーがいくつかあるだけだ。

 アクセス回線は,USENのギガビットの光アクセス回線を導入する。映像配信にギガの帯域は必須だ。しかしほとんどのギガビットのアクセス回線は,帯域保証型のサービスで価格が高すぎる。一方でUSENのアクセス回線はベスト・エフォート型だが価格は安い。コストを考えてこちらを選んだ。

——4月の開講時からネット配信を始めるのか

 当初は講義内容を録画するだけで,配信はしばらく後に始める予定だ。現在は4月開講に向けた作業を進めている最中。校舎内のLANもギガビット・イーサーネットをベースに構築する。