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基調講演をするジャスティン・ラットナー シニアフェロー兼CTO
基調講演をするジャスティン・ラットナー シニアフェロー兼CTO
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Pentium MやCoreDuoでは、1命令あたりの電力消費が従来のPentium並みに改善したという
Pentium MやCoreDuoでは、1命令あたりの電力消費が従来のPentium並みに改善したという
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今年後半に登場するノート用CPUのMeromは、従来と同等のバッテリー駆動時間で性能は20%向上
今年後半に登場するノート用CPUのMeromは、従来と同等のバッテリー駆動時間で性能は20%向上
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ある程度の動作周波数に到達した場合は、周波数を高めても電力消費が増えるだけで、性能向上の効果は薄い
ある程度の動作周波数に到達した場合は、周波数を高めても電力消費が増えるだけで、性能向上の効果は薄い
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 米インテルが主催する開発者向け会議「Intel Developer Forum(IDF)」が、米国サンフランシスコで3月7日に開会した。初日の最初の基調講演は、ジャスティン・ラットナー シニアフェロー兼CTOが担当し、今後出荷予定の新CPUの特徴などが示された。

 講演の冒頭では、モバイル製品からサーバーまで、あらゆるプラットフォームで消費電力の低減が求められていることを強調。従来のPentium 4までは1命令あたりの電力消費が増える一方だったが、2003年に投入したPentium Mや2006年1月に投入したCoreDuoでは、初代Pentiumと同等の効率化を実現したという。

 特にデュアルコアのCoreDuoは、性能や電力効率のメリットだけでなく、将来は64ビットや仮想化といった付加機能も付けられるので、ノートだけでなくデスクトップやサーバーにも対応できるという。

 同社はこのCoreDuoをベースとして機能強化した新CPUを、2006年後半に投入する。講演では、このCPUのアーキテクチャー(設計仕様)を指す名称として「Coreマイクロアーキテクチャ」を発表。1サイクルで実行できる命令を3から4に増やし、ストリーミングSIMD拡張命令の実行も2倍に高速化、メモリーの先読み(プリフェッチ)技術も改良した。

 この新設計を採用するノート用のCPU「Merom(メロム:開発コード)」は、従来のCoreDuo T2600と比べて同等のバッテリー駆動時間を実現しながら、性能は20%向上する。同時期の投入が予定されているデスクトップ用CPUの「Conroe(コンロー:開発コード名)」は、Pentium D 950と比べて電力消費を40%低減させて、性能は40%向上する。サーバー用の「Woodcrest(ウッドクレスト:開発コード名)」は、Xeon 2.8GHzに比べて電力消費を35%低減し、性能は80%も向上する。2007年には製造プロセスを現在の65nmから、45nmに微細化することで、さらなる性能向上と高集積化を目指す。

 なぜマルチコア化を進めるのかという理由についても説明した。それによると、動作周波数を下げながらも性能を向上できる利点があるという。例えば、あるCPUで動作周波数を1.2倍にすると消費電力が7割増加するのに対し、性能は1割弱しか上がらない。それならば、逆に動作周波数を2割減らして、デュアルコアにした方が効率的に性能を上げられるというのだ。今後も複数コア化の方針を進めて、2007年には4つのコア(クアッドコア)を備えるCPUを投入する。

 CPUだけでなく、チップセットやメモリーでも省電力化を進める。現在では、CPUが省電力モードに入ったとしても、OSやハードウエアの動作によっては、チップセットやメモリーが省電力モードに入れない。CPUと同時に全体が省電力モードに切り替わるシステムを実現するためには、OSや周辺ハードウエアの対応も必要だという。「業界全体の協力があれば、さらなるエネルギーの効率化を実現できる」と開発者に呼びかけて講演を締めくくった。