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写真 信州大学講師を務める長野県共同電算の平宮康広技術顧問
写真 信州大学講師を務める長野県共同電算の平宮康広技術顧問
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 「なぜ回線使用料を支払ってビジネスをしている企業が,追加でコスト負担を要求されなければならないのか」−−。かつて「Yahoo! BB」のネットワークを設計・構築し,現在は信州大学講師を務める長野県協同電算の平宮康広技術顧問は,「サービス事業者のインフラただ乗り論」に対して怒りをあらわにする。

 インフラただ乗り論とは,最近になってNTTグループが中心となって訴えはじめた主張のこと。インターネットでビジネス展開する事業者によってインフラのコストが増大しているため,応分のコスト負担をすべきというものだ。特に現在,USENが提供する動画配信サービス「GyaO」のトラフィックがインターネット接続事業者(ISP)のバックボーンのリソースを圧迫していることからこの議論に火が付いた。以下,平宮氏との一問一答。
 
−−なぜそんなに怒っているのか。

 インターネットの世界は,サービス事業者がISPに回線利用料金だけを支払うというのが常識。すでに回線使用料を支払っているサービス事業者が,なぜ他のISPのインフラ料金までを負担しなければならないのか。どう考えても納得がいかない。

−−しかしISPのビジネスが成り立たなくなるかもしれない。

 インフラ料金を支払えという前に,まずGyaOによってどの程度のコストが発生しているのかを明らかにすべきだ。そういったコストを明らかにしたうえで,GyaOのトラフィックに耐え切れないと言うのなら,まず自社で解決策を見つけるのが筋。例えばシステムを見直して低コストで広帯域のネットワークを作る方法を考えるとか,ユーザーへの課金を増やして設備を増強するなどの手段だ。
 またどうしてもGyaOからのトラフィックが負担なら,その帯域を絞ればいい。そんなことをすると,ユーザーが離れていく可能性もあるだろう。多くのユーザーが離れれば,事業として成り立たなくなるかもしれない。しかしそれが市場経済というものだ。幸いなことに日本にはNTT以外の選択肢がある。

−−今回の議論はGyaOだけの問題ではないのか。

 今後,放送と通信が融合する時代を迎える。その時代にテレビ局からのトラフィックにインフラが圧迫されるから,応分を負担しろというのだろうか。そういう主張がまかり通るなら,テレビ局はインターネットに放送データを怖くて流せなくなるだろう。