SAPジャパンは3月15日、SAP製品向けマニュアル作成ツール・ベンダーのRWDテクノロジーズジャパン(RWD)との協業を強化すると発表した。SAPジャパンはRWD製品を販売する専任者を2人から5人に増やし、RWD製品の販売体制を強化する。
狙いは、「システムの利用価値を高めてもらうことにある」とエデュケーション事業本部長の小山弘樹バイスプレジデントは説明する。「これまでSAPは、システムを稼働させることに注力している印象があったかもしれない。だが顧客の視点で考えれば、活用にこそシステムの価値がある。そのためには、エンドユーザー教育を支援するRWD製品が顧客満足の向上に有効だと考えた」(小山バイスプレジデント)。
RWDの「RWD Info Pak Suite」は、SAP製品のパラメタ設定書やテスト仕様書、操作マニュアルなどを自動的に作成するツールだ。お手本となるSAP製品の操作をキャプチャすることで、各種文書を作成する。RWD Info Pak Suiteの利点は、「手作業で同様の作業をした場合よりも5倍以上早く各種文書を作成できること。システムの稼働後にマニュアルを作り始めると時間がかかる。RWD Info Pak Suiteを使えば、画面設計が完了した時点でマニュアルの作成作業に着手できる。エンドユーザー教育を稼働前に始められる」とRWDテクノロジーズジャパンの吹田順一郎社長は説明する。新版の「RWD Info Pak5.51 Suite with Simulator」では、文書に加え、動画のマニュアルを作成できるようになった。
RWD Info Pak Suiteの価格は、「SAP製品のライセンス数と同数を購入するとが条件で、1ユーザーあたり3万円」(吹田社長)。SAPジャパンとRWDは今年末までに「1万5000ライセンスの販売を目指す」としている。日本では100社の導入実績がある。SAPジャパンとRWDのみが販売する。